16/23
「こおりを嚥む」
まるはがれた皮膚を唄にし唱誦している
荼毘にふした皮を凍結せしめた結晶組織
タカの眼で瞻るおたからはおれのカラダ
おれだけのきもち一塊の魔法陣テノヒラ
肉体を総身げんこつと化けて束ねた残花
きりたった崖に星と月がみえる暁をまつ
こおりついた結晶は冥闇すらもはじいて
おれの芽胞をあらあらしく揺さぶる酷く
こおりを嚥む詰まるところ金糸雀を嚥む
すみわたった大気に彗星と悪夢のけはい
傀儡を破壊して途を攀じ歩き李のかおり
まるはがれた皮膚を鞘におさめて嚥む愛
LOVE
其れだけのはなし