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「不在」
波がかわきながら曼荼羅をえがき
シアトリカルに乾いていく
ぬれていく靴下
絵のなかの劇場としての永遠の波
張り詰めやわらかく硬質な
波と戯れる左脚
僕は絵画のなかに座ってる永遠に
波がしらに舐められ削られ
桟敷に置く右脚
人魚として人形として人間として
こおりついた舞台上に飾る
がらんどうの色
肺と肺のあいだにながれない色彩
目と目のあいだに宿らぬ命
君の前だよ僕は
波がかわきながら曼荼羅をえがき
シアトリカルに渇いていく
ぬれていく不在