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召喚術師と召渾士 10

「何というか……フリダシに戻ったような感覚」

「ワタシは参加してなかったカラ、お初なのヨ、ショタロ」

「ザラさんはそうだけどさー」

「ショータローもブツブツ言ってないで手伝って欲しいのだけれど」

「僕だって一応見てるけどさ、全然わかんないし」

「あっ、そこの男の人! ――青い服の人です! そうそう。別室にお願いします!」


 理沙りさの指示で、青い服を着た男はざわつく人の間を縫うようにして、隣の部屋へと移動していく。

 大広間には老若男女問わず多くの人がひしめき合い、真剣な顔をしながら、ひたすら腕を振っていた。


「こういうのはフィーリングがダイジだから、なんとなーく気になったヒトをテキトーに選べばいいのヨ」

「適当って言われてもなぁ」

「ザラの言い方はちょっとどうかと思うけれど、おおむね間違ってないわ。ショータローだって能力も経験もあるのだから、自覚はなくても、ちゃんと感じ取っていると思うの」


 あの後、一行はアーヴァーの城都、ガルスアーヴァーまでやってきた。

 伝説の人物である、ルフェールディーズが突如現れたことにより、一時的な混乱はあったものの、さすがに魔術団のメンバーは飲み込みが早く、すぐに危機の対応へと動き出した。


「じゃあ……あのひと目立つかも。かわいいし。そこの白い服の女の人、別室にお願いしまーす!」

「アイドル選んでるんじゃないんだから……」

「でもでもマリー、そういうキラキラが大当たりってコト、よくあるデショ?」

「まぁ、否定できないけど。――それにしても、ショータローの言うフリダシって感覚、確かにあるわ。異世界まで来てオーディションをすることになるなんて思わなかったもの」


 ルフェールディーズが打ち出した対応策とは、国中に触れを出し、『魔王』の適正者を探し出すというものだった。

 集まった参加者にはイメージの中で召渾士しょうこんしの杖を持ち、『魔王』を呼び出してもらう。即戦力になる才能を持つ者であれば、それだけでも能力の片鱗が見えるはずだった。別室へと移動した後は、魔術団によるテストが行われる。


「でも、今から適正者探してて、危機とやらは大丈夫なのかな」

「何かあればルフェールディーズが対処するとは言ってたし、今のところは大丈夫なんじゃないかしら」

「ソーソー。中継車育てるってのも、ダイジなコトなのヨ」

「『後継者』ね。最低でも三人は必要なわけでしょう? ザラが言うように、今からでも見つけておくに越したことはないと思うわ」

「そういえば、ナレージャはどうしたんだろ」

「彼女は彼女で特訓してるみたい。『魔王』を呼び出した途端に寝ちゃうんじゃ、さすがに困るものね」


 魔術団の現団長の話によると、ナレージャが地球へと転移する前に声をかけられたのも、アーヴァーに近頃起こっていた異変を調査していた中で、『魔王』の力が必要であると分かってきたからだった。


「じゃあ、しばらくは僕たちも審査員かぁ。いいけどね。ここ来るまでも何度も転移させられたから、こういうのも」

「お疲れ様でした。今回は酔わずにすんだから、わたしも助かったわ」

「荒野が終わってくれたから良かったよ……意識を定めやすくて。ルフェールディーズの記憶が戻ったおかげで、最短ルートで来られたし」

「あっ、そこのガール! アタマおだんごガール! イエスイエス、おとなりにゴーね!」

「みなさーん!」


 その時、いつの間にか姿を消していた理沙が、声をあげながらこちらへとやって来る。


「ルフェールディーズさんが、今すぐ来て欲しいそうです!」

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