なんだ雨も悪くないじゃないか。
ザー……ザー……今宵はあまり天気が良くないようです。
ザー……ザー……ザー
外は生憎の悪天みたいだ。僕はあまり雨が好きではない。雨というのは人を憂鬱にさせる。空がどんよりすれば心もどんよりするし、お日様が陰れば気持ちも陰ってしまう。
人間とはそういう生き物なのである。
いっぽう。快晴の笑顔や晴れ渡るような笑顔のように、晴れは凄く素敵だ。
空が晴れれば心も晴れるし、お日様がキラキラすれば気持ちだってキラキラしてくる。
人間とはそういう生き物なのである。
そんなくだらないことを考えながら僕はのそのそと服を着替える。
今夜中に3日前に借りたDVDを返しに行かねばならない。
こんな悪天候に。
本当に雨は好きじゃない。
雨の日は足元を見て歩かねばならない。そうしているとなぜだか暗~い気持ちになる。
だが仕方があるまい。延滞金なぞ払いたくないのだ。
ぽつぽつと雨は降り、てくてくと僕は歩く。
不意に足元に1匹の蛙を見つけた。
なんだお前は。雨じゃなかった気付かず踏んでたぞ。雨に感謝しなさい。
ふふ。雨も悪くないじゃないか。
そう思い顔をふと上げた。信号は赤でトラックが眼前を横切った。
なんだお前は。僕がいなかったら気付かず死んでたぞ。雨に感謝しなさい。
ケロ。雨も悪くないじゃないか。
DVDを返した。傘は店に置いてきた。雨の何が悪いのだ。ただ、空から水が降ってくるだけじゃないか。
雨だっていいじゃないか。
帰宅した。身につけていたもの全てがびしょ濡れになった。
だが不思議と今まで嫌いだった雨が少し嫌いじゃなくなった。
Thank you for reading!!
なんだ雨も悪くないじゃないか。