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扇情寺透のキャンパスDTライフ  作者: 戸塚 秦
入学編
1/5

謳歌ッ!!キャンパスライフ!!!


「抜け目なし…。perfect guyだろう。これで俺は…俺は…!!!!」



頭脳明晰

180cmオーバーの高身長

清潔感抜群

整った顔立ち

大企業の御曹司


ハイスペック男子大学生 扇情寺透


だが彼には1つ、決定的な弱点があった。











彼はまだ………未卒業なのである………ッッ!!












(今日は4月1日…大学の入学式だ…。ここでの出だしでこの先のキャンパスライフが大幅に変わってくる…絶対にヘマする訳にはいかない…!!!)


俺、扇情寺透は一段と気合が入っている。

今日は大学生活初日、しかもスーツ登校日だ。


男の品と株というのはスーツによって決まると言ってもいい。


いくらモテようが頭が良かろうが金持ってろうが、スーツが決まらなければ男は所詮その程度なのだ。


だが俺は




(キマってしまうんだなァァァ!!!!!!)




だがその自信は微塵も感じさせない。

心の中に留める。


第一印象最悪となるのは避けたいからだ。



(えぇっと…。心理学部ー心理学部はーっと…)



今日は新入生が体育館に集まり入学式をやるのだが、理系の学部の新入生は昨日済ませたらしい。なので今日は文系の新入生が入学式を行う。

文系にも色々学部があり、学科がある。


学科ごとに席が別れているらしい。

先輩らしき人間が学科が書かれたプラカードを持って席の一番前に立っている。



俺はここ、中葉大学の人文学部、心理学科へ入学したのだ。



言っておくが、俺は高校で専攻していたのは理系、しかも生物を選択していたのだ。


と、言っている間に心理学科の席を見つけた。

もうすでに大勢の心理学科の新入生が座っていた。



だがこれも計算通りだッッッッ!!!



俺は少し遅い時間に来た。

入学式というものは全員が浮かれる場所、大抵の人間は20分やら30分やら早く来る。




だが、俺は違う。

遅く来ることによって、同じ高校から一緒の大学に来てる、言わば『既に形成されてるグループ』を見分けるために遅く来たのだ。



2人で仲良さそうに喋っている奴は論外。

グループに新参者が急に参加できるわけがない。




俺はまず友人作りという難関に立ち向かわなくてはならない。




クソッ。高校の時とは違うということを見せてやるッ!!


…誰にだろう。



(狙いは…1人でスマホをいじっている奴…。ここで女性に話しかけるのはハードルが高いしリスクも大きい…。男だ。仕方ないが男を優先候補としなければならない)


ここで条件を付け足す。



(男なら誰でも良いとは言えない。まず髪の毛だ。黒髪が好ましいな。ここで派手髪奴に声掛けてみろ、俺の大学生活はぱーりーぴーぽーで落単ふぃーばーのお祭り騒ぎだ。とりあえず偏差値の低そうな髪色の奴は避けよう…)



俺はこの考え事をしている時、ゆっくり後ろの方の席に向けて歩いている最中だ。

短い時間で膨大な量の考え事など慣れている。


周りを見渡す。


(クソッッッッ!!!!!黒髮なんてほぼいねぇじゃねぇか!!!!!!!)


そりゃそうか…。大学だもんな。しかも文系の。偏差値が低い大学のッ!!!!


なぜ俺が偏差値の低い大学に入ったかって?

そりゃのちのち紹介しよう。


(待て待て待てッッ!!そりゃ派手髪のやつはいるだろうさ。だがよ…全体の1割しかいねぇじゃねぇかァァァ!!!!)


俺はどこに座るか探すためキョロキョロしていた。周りに変に思われているかもしれない。が、こいつらスマホかおしゃべりに夢中で俺の姿なんて見えていないだろう。



バカな連中だ。



まぁいい…数少ない黒髮の人間が道側に席を1つ空けて座っていたのでそこに座ることにした。


(まぁここでは妥協案を採用したが、明日。明日だ、勝負は。男・扇情寺透。勝てないと分かった勝負は執着しない主義だ。今日が無理なら明日。明日勝てば問題ないのだ…。だが、ここで隣の黒髮と仲良くなるのも良いだろう)


俺は隣の黒髮に話しかけた。


「……や、やぁ。君どこの県から来たの?」


(しまったァァァァ!!!変なナンパみたいになってしまったァァァァァァァァッ!!!)



俺は、自分が意外とコミュ障な事を忘れていた…。

なにがperfect guyだ…。


(いやしかし、この黒髮がネタとして受け取ってくれたら仲良くなるきっかけとなる…!!この黒髮は挑発で女性みたいなボブヘアーで顔こそ見えないが、身体は華奢だ。ジェンダーレスみたいな、キレイ系フォロワー万越えの人間だったら好ましいが…)


「グフッ…。や、やぁ扇情寺殿。某は吉兆臨と申します…グフッ…」



(いや陰キャかよォォォォォォォォ!!!!求めてないから、俺は女性と繋がれるパイプ的な人間を探してるからァ!!お前は求めてないからァ!!!)


ん?だが待てよ…?


「あ、…い、今扇情寺って…」


「なんだ扇情寺殿。グフッ…某の吉兆の姓を知らない訳ではないでしょ?」



ハッ!!!!!

そうか…見た目のギャップで話した内容聞き逃していたが、こいつは吉兆臨…。


吉兆財閥の御曹司か…。

通りで…。


「フンッ…なんだ吉兆か。…なぜお前のような男がこんな所に?」


「それを言うなら扇情寺殿も同じことが言える。扇情寺殿ほどの頭脳があれば東帝大学の…」


「その話はいい…。それとあまり俺の頭のことや親の仕事の事を言うなよ?……こちらも困ることがある…」


「その説は某に関しても。扇情寺殿と同じく、困ることがあるので…」




吉兆という姓は親の仕事関係で知っていたし、俺と同い年の御曹司がいることも知っていた。俺に引けず劣らずの頭脳だと聞いていたが…。なぜこんなところにというかなんだその顔はッッ!!!!

完全ネットでパリピ達にバカにされるようなオタク顔だぞ!?


「そうか…。お前もこの大学には目的があって来たのか…」


「そうだ。某にはある目的を達成しなくてはならない。できれば20歳を迎える前に」


(ぬ。俺も卒業を20歳前にしたいと思っていたところだったのだ)


「お、俺も20歳まで達成したい野望があるんだ」


「お互い同志ですな、扇情寺殿」


「お前と一緒にするな、吉兆」


「爆ぜろ」


「リアル」


「弾けろ」


「シナp……っておい!!やめろ!!!」


「ほら、同志ではないか」





俺はずっと、アニメが大好きだった。そのせいで中学、高校の友達はオタクばかり。


イケイケのパリピにはオタクの集団としか目に映っていないらしく、相手にもされなかった。


教室の隅っこの方で、他クラスからくるパリピ仲間が


「えーっ!○○ちゃんのクラスの透さん?って人カッコよくないー!?」


「いや、アレはないわ。陰キャだし。コソコソ気色悪いし」



そんな会話を聞いてる日々はもう嫌なのだ!!!


というかテメーの方がねぇから!!クソ○ッチ野郎が!!!その真っ黒な股さらして一生生きてろ!!!!











そんなこんなで俺は初の友達(??)を手に入れた。

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