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ほんとに半端な進み具合いです

目が覚めると目の前に鬼がいた。

いつの間にか気を失っていたらしい。

だが生きているということは産声をあげることには成功したようだ。


僕は目の前の鬼をよく見てみた。

初めに目を奪われるのは角だ。額の上部、髪の生え際辺りから一対の角が生えている。

生活に邪魔になるような大きさでは無い。


角の根元を覆い隠す髪、白にしては鈍く灰にしては鋭い優しげな銀髪。

均衡のとれた美しい顔。

妖しく煌めく紅の瞳、ふっくらとした唇がなんとも言い難い艶やかさを演出している。

原始的な1枚布のような服を気怠げに着崩した豊満な身体は、神話に謳われる女神そのものだ。


辺りを見渡せば暗く冷たい土の洞窟なのに彼女の周りは暖かい光を放っていた。

彼女はこちらを一瞥すると口を開いた。


「目が覚めたのかい?」


太くエネルギーに満ち溢れた声、想像とは違ったが暖かい声だ。

僕は返事をした。

僕には聞き馴染みのない言葉だったが、魚が水を泳ぐように鳥が空を飛ぶように、当たり前のように理解することが出来た。


幼く拙い返事だったかもしれない。

しかし彼女は深く頷いて、喉が乾くだろうからと水がなみなみと注がれた木杯を差し出した。


僕は暫く水面を眺めた。

水面からは幼くなった女神が僕を見つめ返していた。





400文字って……

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