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失踪してから書き方とこの小説の覚え書きを紛失しました。
誰か読んでくれると嬉しいです。
暗闇の中でゆったりとした心音を感じる。
何処か遠くにあって、遮られるようにくぐもった音。
僕は水の中に居るみたいだ。
生まれ変わると言ってたから、母のお腹の中なのだろう。
ずっと此処に居たいと感じる。血液を運ぶ流れのリズム、水なのかに浮かぶゆらゆらとした感覚。
暖かな母の体温。
その全てが僕を祝福し、愛を注いでくれているように感じる。
ただ1つ問題がある。明らかに僕が僕の知る人間ではないということだ。
胎児である筈なのに感覚器官が発達しているし、手足や指の細部に至るまで自由自在に動かせると感じる。
人には有り得ない成長速度。
前世でも人間離れした丈夫さを持っていたが、幼少期はそれ程でも無くそれなりに怪我もした。
明らかに異質、この世ならざるものに自分が変容したのだと悟り、あの忌々しい自称女神を呪った。
昼も夜も無ければお腹も空かない、そんな状態になれば人は時間感覚を失うものだ。
どれ程時間が経ったのか具体的には言えないが、僕が胎児生活にも慣れてきて、自らが人では無い事実を受け入れ始めた頃、急激な変化が訪れた。
僕を守ってきた揺籃が大きく伸び縮みを始めた。
部屋の中に響く苦悶の叫び。
僕はせめて新たな母の助けになるように、身体を縮こまらせ1本の棒へと姿を変えた。
そう長い時間では無かったと思う。閉じた瞼の奥に光を感じた途端に、ゆっくりと進んでいた僕の身体がするりと外に押し出された。
産まれた瞬間、感じたのは苦しさだった。
肺に水が溜まっているのだろうか、呼吸もできず溺れるようにして藻掻く。
ふと赤子は産まれた時に泣くものだと思い出した。
大人だった記憶が邪魔をして窒息しかけるとは僕も相当マヌケらしい。
大きな声を上げるため、息を吸おうと試みるが肺の水が邪魔をして上手くいかない。
構うものかと腹に渾身の力を込めた。
筆が進まなくなったので今回は中途半端ですがここまでです。
主人公が産まれる描写でここまで引っ張るとは思わなかったです。