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「−−あー、いよいよお待ちかねの実習期間が迫ってきた。楽しみにしている者も多いだろう。本来なら魔の森で行う所なんだが……一連の騒動で利用不可になった」
−−魔王とか魔王とか魔王様のせいで。
そんな言葉は飲み込まれた。視線は魔王様と自称・魔王へ向いている。
騎士学校への魔物襲撃の際、ノーチェが魔の森の魔物をほぼ総動員したせいで、討伐メインの実戦訓練が出来なくなったのだ。そのためカリキュラムの変更が大急ぎでされたため、実習先変更の手配やらで教職員たちの仕事量が一気に増えた。アルが、その元凶とも言えるノーチェとヒューイ−−彼らが原因なのは教員ではアルしか知らないが−−へ恨みがましい視線を向けたのも無理は無い。
「−−よって今後の実習は、森の生態系が修復されるまで実地での研修になる」
何年かかるかも解らないレベルなので、ヒューイたちの在学中は恐らくほぼ魔の森での実習は不可能であろうとの事。
「んで、今回の実習先だが−−王都だ」
アルの宣言が重く響いた。




