~二度目の~
「おかえりなさいませっ!赤城さんっ!」
茜はにこにこしながら玄関の方に歩いて行った。
「ただいま。そうだ、藤堂、渡辺さんどこって……お前なんでここにいるんだよ。」
赤城は私を見つけるなりずかずかと歩み寄ってきた。
「いや、なんでと言われましてもね。」
「偶然出会ったから俺が食事に誘ったんだ。にしてもまさか赤城と風月さんが知り合いだとはね。」
私らの会話を聞いていたのか、渡辺さんは白いエプロンを
着けたままリビングに出てきた。
「知り合いも何も只のすれ違いだよ。」
相変わらず不機嫌そうな声で赤城は答える。
「何がすれ違いよ!私に警察を押し付けたくせに!!」
「はぁ!人聞きの悪い!」
「まぁまぁ二人とも落ち着いて。」
なぜかこの言い合いを楽しんでいるかのように
見える渡辺さんは、苦笑をしていた。
「お茶でも飲みながらその話聞かせてよ。」
私は渡辺さんに言われてしまったので
仕方なくあふれそうだった怒りを閉じ込め、
四角いテーブルの椅子についた。
四角いテーブルの方は食事用のテーブルである。
それから私はこの間のことをすべて話した。
途中でそれは違うしという批判する人もいたが……。