~役目~
「ここは、犬猫探偵団といいますっ!そしてこのアパートが探偵事務所本部ですっ!」
「このアパートがねぇ…。」
「ふ、古びてはいますがっ、立派な本部!……というか、そ、そうっ!隠れ家ですっ!」
「隠れ家って忍者かよ………。」
「すみません…。」
「あ~ごめんって、だから泣かないでっ!ねっ?」
今にも泣きだしそうな茜は、
瞳をうるうるににごませていた。
こういう顔をされると絶対に断れない私である。
「…はい、それで、ここに住んでいる人は私を入れて4人ですっ!一人はまずリーダ…の渡辺雄二さんっ
!」
「……リーダーというか責任者なんだけど。」
「続いて二人目は私っ、資料を片付けるの担当ですっ!」
「……まとめる人のことでしょ、ていうか片付けちゃダメでしょ!」
「そして奥の部屋にいるのが三人目の神居洋さんっ!computer専門ですっ!」
「……コンピューターかぁ、ってなんでそこだけ英語!?」
「最後の一人は、主に訪問や現場に行く担当、赤城龍さんですっ!」
その言葉に私は頬を痙攣させた。
どこかで聞き覚えがあり少しいらっとする名前である。
と同時に…。
「ただいま。」
ぶっきらぼうな声が私たち?の耳に届く。
その声の主はもちろん…………。