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奴隷を買う

 新品の魔導携帯端末を手にしたなろう太郎。ついでにそこらでフランクフルトとジュースを買って食べ、飲む。フランクフルトは右、ジュースは左、魔導携帯端末は魔力で浮かしている。

「スマホと操作感変わんないのね」

 もう完全に落ち着いたなろう太郎。

「ネットもあるんだ、この星」

 なろう太郎は感心した。パッっと見中世で文明レベルかなり低めに見えたが、どうやらそうではないらしい。

 魔導検索エンジンで「ミハエル」をキーワードに検索してみる。

「カイアスタイムズ……ニュースサイトか。なになに。

 ヴァーレンス王国のミハエル、カイアスの超魔導士ケネス=リー=ラドクリフを殺害。あわや王都まで攻められるかというところでミハエルは撤退。

 神と同じ技を習得したとカイアスでもてはやされたあの超魔導士ですらヴァーレンス王国の公爵ミハエル1人に敵わず。国防に問題点。

 カイアスの賢者と呼ばれる穏健派グオリ将軍(60)およびバーム将軍(60)は敵対よりヴァーレンス王国とは仲良くやっていくべきだと主張するが、世論は半々。

 ヴァーレンス王国の公爵ミハエルが和平交渉に王とカイアスに来たが門前払いよりひどい扱いを受ける。カイアスの女王アイ=コウシャクレイジョウ=セイジョ=カイアス(21)は

挿絵(By みてみん)

ミハエル=シュピーゲル=フォン=フリードリヒ(35)に生卵を投げつけ、ミハエルは卵まみれになって帰還。他にも槍を投げつけた人がいたが、彼は『刃物を持った奴は男だろうが女だろうが容赦しない』とミハエルにエネルギー波で返されて死亡。その余波で城の1/4が消し飛ぶが、後でミハエル公爵から

『まあプラマイ考えてもこれくらいは払っておくわ』

 とお詫びとして10億ウサギが支払われた。

 このことを受け、国王への信頼は幼稚すぎるとの感想が大半で落ち――――」

 なろう太郎は首をかしげる。

「ミハエルって名前の人、魔王じゃないんじゃ……穏健派に見えるけど、攻められたのも卵ぶつけるような真似したんじゃないの?……あとさっき(魔導携帯端末買った時)思ったんですが、ウサギが単位なんですね。この世界」

「ええ。1ウサギがだいたい1円ね。だいたいね。

 あとそのニュースサイトあまり真に受けない方がいいわよーミハエルは大魔王なんだから。35歳だけど遺伝子操作で28歳の時から老化しない、永遠の28歳なのよーーーー魔王でしょう?」

「はぁ…………てか遺伝子操作技術あるんですかこの世界」

 正直それ(ミハエル=大魔王説)はなろう太郎にとっても疑問に思えてきた。

「ええ。大魔王の国地獄のヴァーレンス王国では庶民も使っているくらい馴染んでいるわね」

 ビナーがテレパスで応える。

「ちょっ、文明レベル、地球より高いんじゃ…………」

「あっ、これからは魔導携帯端末で話すわね。ほら!」

 と魔導携帯端末に着信がある。

「もしもし」

 魔導携帯端末を耳に当てるなろう太郎。

「はぁ~い、ビナーで~す! こっちの方が慣れているでしょう?」

「まぁ、確かにそうですが」



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「と、とにかく奴隷を買いに行きましょうよ! ね、太郎くん」

「はぁ。でも本当に奴隷って売ってるんですか。なんか実感わかなくて……」

「売ってるわよ。地球ですらあったじゃない。

 何千万人もの人々が手かせ足かせをつけられ“新世界”に奴隷としてつれてこられる。

 今でも派遣て名前を変えて。奴隷や植民地を経営して、支配層は働かない。

 文化的には、地球人の大半は、

『自分たちの贅沢な生活のつけを払うのをいやがっている』

 生活が極めて『贅沢』なことを『認めることすら』彼らはひどく嫌う。

 彼らは犠牲者のように感じるのが好きなの。

 彼らは自分たちが『利用されている』と感じるのが好きなの。

 他の人々の為に自らを犠牲にしていると思うのが好きなの

 それに何よりも彼ら地球人は『本当の犠牲者を憎悪』する。

 何十年も、何世紀にもわたって、彼らが殺害し、強姦し、略奪し、侮辱してきた人々を。

 最近の難民危機は、自分たちの犠牲者に対して、地球人が感じている『悪意』を明らかにした。

 彼らを豊かにし、その過程であらゆるものを失った人々が屈辱を与えられ、軽蔑され、侮辱された。アフガニスタン人であれ、アフリカ人であれ、中近東人であれ、南アジア人であれ

 欧米では、自らを守る人々、『彼ら』に対して戦う人々、そして、とりわけ『彼ら』に対して勝利する人は好まれない」

「まぁ、そうですけど…………どこだっけ」

「魔導携帯端末で奴隷で検索よー。じゃあ、検索の邪魔でしょうから、いったん通話切るわね」

「あ、はい。ありがとうございましたー」

 プツン。通話が切れたので、検索画面を出すなろう太郎。

「結構近いな……ここ直進で、2番目の角を曲がる、か……」



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「いらっしゃいませ~~~~!」

 アラサーくらいに見える女の小奇麗な奴隷販売業の人だ。思わず声に出して驚く。

「え、悪人そうなオヤジじゃない!」

「もー、どこのイメージですか、それ?」

 と、ほほに手を当てもう片方の手をなろう太郎に向かって上下に振る女の奴隷販売業の人。

「新しい奴隷をご希望ですか?」

「ええ、まぁ……(なんか店内ケータイショップに近いな。奴隷も普通に色の違うテーブルに座っておしゃべりしてるし。あ、あの子のパンツ見えた)」

「今日入荷した子が結構いるのよ~そちらから見ます?」

「は、はい……」

 なろう太郎は言われる通りにする。

「あっ……!」

 なろう太郎は、ある奴隷の前で驚きの声を上げた。

(高校の時に好きだった女の子に似てる……!

 かんなぎさよみさん! 背も同じかな。同じ黒髪茶目160cm! 胸も同じくらい。巨乳だ。

 といってもアニメ基準での巨乳ではなく、アニメ基準なら普通の大きさの乳と言われるくらいだろう。

 アニメ基準での巨乳は水鏡冬華という人がいるらしい。奴隷販売場のポスターに書いてある。彼女は大魔王ミハエルの妻で巫女らしい。確かに美人だ。ポスターを見る限り。

 まぁ俺がかんなぎさよみさんに惚れたきっかけはパンチラ見た事なんだけど。

 お尻が大きい彼女のパンチラには高校生のなろう太郎には刺激が強すぎた。ジーンズでも色気を出せるくらいのぱっつんぱっつんのお尻だ。

 その時彼は覚えた。

 階段より椅子に座っている時の方が警戒心の違いからパンチラ拝みやすいと! 後ろの友達に話しかける時に振り向くときがかんなぎさよみは一番パンチラしていた。

 結局、告白できなかったんだけど。俺の蚤の心臓では)

 でもなろう太郎が彼女の事を気にする度に、彼女も恥じらいながらなろう太郎を上目づかいで見ていたことになろう太郎は気づいていなかった。

 だが、一つ違う点がある。

(表情が暗い……まぁ奴隷だしな……)

 服装は気分が落ち込む原因には見えない。ぼろぼろの布切れではなく、地球の服の方がちょっと貧しく見えるような服だ。つまり、地球の1000円服よりは大分質がいい。この星の奴隷の方が。

(俺が地球で、プライベートで着てた服より上等なんじゃないの?)

 となろう太郎は奴隷たちの服をじーっと見て思った。

「この奴隷の名前は?」

 かんなぎさよみ(に似ている本人)ではなく、女奴隷商人になろう太郎はたずねる。

「自己紹介させましょう」

 そういうと、女奴隷商人はかんなぎさよみ(に似ている人)に合図を送る。

 トテテテッとクリーム色のテーブルから立ち上がり、駆け寄ってくる。

「ご指名ありがとうございます、ご主人様。わたくしはカンナギ=トキマと申します。24歳。160cm60kgです。お選びいただき、光栄です」

「まーだ選んでないわよ」

 女奴隷商人が突っ込む。

「あ、す、すみませ…………」

 顔を下に向け、カンナギ=トキマが委縮する。

(そりゃあ、自分が奴隷になったらッて考えると、気分落ち込むよなあ……)

 なろう太郎は、自分が奴隷になったら? のIF想像をした。

「決めた。彼女を買う!」

 なろう太郎は、宣言した。

「いいんですね?」

 女奴隷商人が念を押す。

「な、何か悪い事でも?」

 ビビるなろう太郎。

「いえ。ペットと同じ生き物ですから飼う時はいい加減な気持ちではまずいので……同じ人間種族ですから、当然子供もできますし……」

「ま、まあ、そりゃそうだけど……あの、そういうこともできるんですか?」

「ええ。ひY(わい)な目的で買ってゆく方もいらっしゃいますね。何回も風俗に行くのもって。ま、人間ですから男も女も3大欲求ありますし……。最近はイケメン奴隷目当てで来るご婦人のお客様も増えていますね。

 奴隷で一番高いのってイケメン男奴隷なんですよ。どの女奴隷よりも。イケメン男奴隷は一番美人の女奴隷よりも2倍の値段付けさせていただいておりますが、売れ行きすごいですね。

 やはり女の方が気に入ったものにお金つぎ込みますからねー。

 では、こちらも準備をいたしますのでこの番号札を持ってあそこのテーブルでお待ちください。準備が出来ましたら番号を呼びます。あそこのお飲み物は無料となっております。セルフでお取りください。

 カンナギ=トキマ、いらっしゃい! 髪整えるわよ! あちらのお客さんがあなたを買ってくださるわ! ヘアメイクスタッフ! 手伝って!」

 なにやら向こうがバタバタと騒がしくなる。



★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★



「彼女は血統書つきです。元貴族ですが奴隷に堕ちたんですよ。

 カイアス王国の侯爵ゴッドノーサンキュー・ウィリアムに目をつけられてやられたんです。

 でもなんか最近ファブリス諸島で死んだみたいですけど、ゴッドノーサンキュー・ウィリアム侯爵。グオリ将軍がそう発表したんです。

 ここだけの話、まぁー喜んでいる人は多いと思いますよ、彼の死。多くの人の人生狂わせてきたデブですからねー。館には捕らわれていた半裸の妙齢の女子が何人も助けを求めていたって話題ですし」

 女奴隷商人がペラペラしゃべる。

「は、はぁ(妙齢ってピチピチのって意味だよな10代から20代ってことか)」

 なろう太郎はとりあえず相槌を打つ。

「はい、どうぞ。

 貴族と言えども料理と掃除は身につけさせております。戦闘もまあ、魔力はあるらしいので、少しはできますが、あまりお勧めできません。

 愛玩用ですね。

 この魔化された首輪はお仕置きようですね。主人はお客様にしております。先程採取した血により」

 そう、なろう太郎は血判をするときのように親指を斬って、血を一滴提供した。

「地球じゃ俺自身が奴隷のような生活だったのになぁ」

「ご主人様……地球? 天動説の火明星ほあかりぼしとは違い、機械文明がはびこる地動説の田舎の遠い星ですか? ご主人様もそこから来たんですか……?」

 とカンナギ=トキマが育った星とは違う星に興味ありそうな目で問う。

「えっ、この星天動説なの!? まっさかー」

「天動説です。魔力が一定数あるもので希望者は一度宇宙空間に出て自分の目で天動説を確認するんです」

 女奴隷商人が答える。

「へぇ~~」

 こうして、奴隷を初めて買ったなろう太郎だった。

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