【3】
数日後、みなみは海に来ていた。快晴で眩しく、日差しが強い。日焼け止めをばっちり塗り、UV対策は万全だった。
「よろしく」
国広が運転してくれたのだった。側には彼の友だちで恋人同士の水野と白川がいた。
「一緒に楽しく遊ぼうね」
「よろしくっす」
国広に聞いたのだが、皆、大学1年生で同い年のようだった。
「よろしくお願いね」
みなみはそう言うと、水着に着替えに行ったのだった。
その夜、みなみはホテルに居た。もちろん、国広と同じ部屋である。みなみはドキドキしていた。
ーこれから行うことは…大人への1歩だよね。
国広もどこかそわそわしていた。白い肌が海で遊んだ影響で、少し焼けている。
「…キスしてもいい?」
「…うん」
2人は恥ずかしそうにベッドの上で重なる。2人分の体重でベッドがきしむ。これから行うことに、期待と不安とごちゃまぜだった。2人の吐息だけが聞こえ始める。
「…好きだよ」
「ありがとう。私も好きだよ」
されるままに衣服を脱ぎ、国広の行為がどんどんエスカレートしていく。彼は慣れているのが、少し悔しかった。せっかくなので、思い切ってキスをすると、激しいキスが返ってくる。
「…ちょ、ちょっと待っ…!!」
彼の一部が体内に入ろうとした時、みなみは声を荒らげた。とてもじゃないが痛くて、どうしようもなかった。
「やめて!! やめて!! やめて!!」
大声で叫んでしまった。手まで振り出したせいか、国広がピタリと動作を止める。複雑な表情だった。
「ごめん。…ちょっと」
国広が体を離し、背を向ける。何だか哀愁が漂っていて申し訳ない気がした。
ーごめんなさい。
それでその夜は終わりだった。2人は背中を向けて寝たのだった。