第4話 6年前の出来事
6年前何があったかというと...
その時うちは9歳で前世を思い出してから4年経っていた。普通のまた同じ日本に転生したのかと思っていた。しかし、ディアボルスという未確認生物が日本を襲ったことにより、好きなアニメに転生していたことに気付いた。
「母さん…これ…」
東京都に鳴り渡る警報。いや、神奈川県、千葉県と関東地方の海に面している県に警報が鳴る。テレビは全部ニュースで避難誘導ばっかりだ。
「警報も鳴ってるし、テレビに映ってるのなに…?」
うちの家は海から遠く東京の南西にあった為被害は無かった。テレビには、未確認生物ディアボルスが日本を襲って居るのが空から映されていた。黒い煙があちこちで見え、建物はボロボロ。車が衝突しあってもいる。逃げている人達もちらほら見えるがディアボルスは一瞬しか映らなかった。何故なら襲われている人間も映ってしまうかもしれないから。うちはその未確認生物を何度も見たことがあった。
「うそだ…」
少し経ってから気付いた。10年以上前、つまり前世で観ていたアニメに転生したと。うちは他の人とは違う意味で怖くなった。
自分が原作と関わることでこの世界が壊れてしまうんじゃないかと、また人生を失うのかと思った。佳奈に会えないことではなく、思うことさえできなくなってしまうのかと。最初はほんの一瞬だけ好きなアニメに転生したこと、推しに会えることを喜んだ気がした。けど、次の瞬間にはもう怖さと不安がきていた。
「母ちゃん!由香里が!」
兄さんがうちの異変に気付き母さんに直ぐに伝えていた。
顔色が悪く、震えながらテレビを見るうちを落ち着かせるように兄さんはうちの前に立ち、テレビが見えないようにしてくれた。
けどうちはテレビが見えなくなったとしてもどうしようとパニックになっていた。今は原作に入っている?登場人物は誰?関わっていけないのは誰?この世界を守るためにはどうすれば?生きるためにはどうすればいい?
沢山の疑問がうちの頭の中に出てくる。
「大丈夫よ、由香」
母さんがうちを抱きしめる。そんなことすら気にしてる暇は無いうちはただずっとこれからどうするべきが悩んでいた。
「お母さんが守るから大丈夫よ」
「俺も居るから安心しな」
兄さんはうちの頭を撫でていた。
その時は少し経ってから落ち着き取り敢えず避難しようということになり、都から出ていく準備をしていた。うちはただぼーっと自分の部屋で座っていた。
「あ…」
その時ふと思い出した。避難場所まで行く道が前世の家と近いということに。うちが会いたい人達は居ないってことは分かってはいるが行きたかった。前世のことを思い出しながら色々見て回りたかった。
「さすがにダメだ…」
寄り道をしたかったが、母さんと兄さんを見る限りそれは無理そうだった。2人ともすぐ安全なところに行きたがっている。それに、さっきまで怖がっていた9歳をこんな時に1人でどっかに行かせられないだろう。
「今度にするか…」
高校生になったら行こうと決め今は準備に集中する。
30分後に家を出て途中で父さんと合流し、うちらは無事避難場所に到着した。それから1週間経ち、日本に居るディアボルスは異世界人により倒され一応解決した。
その時助けてくれた異世界人はディアボルスと同じ世界から来た人だ。こんな無知な国を利用し、壊すなど許さないと言っていたみたいだ。そして、その異世界人が沢山の情報をくれた。うちら人間には魔力があると。そして、誰も見たことがない銃を出し魔力があれば撃てると言った。魔力を機動力にし撃てる銃。他には剣にナイフと武器を出す。これらでディアボルスを倒せるみたいだ。日本はそれを聞き神奈川県の海沿い、千葉県の海沿いを閉鎖しある組織を作った。それが「スクートム」
異世界人から貰った情報、武器をもとにディアボルスを倒し日本を護る組織である。そして、ディアボルスがいるディア島に行き情報を手に入れたり、駆除したりし日本への侵入を防いでいる。ディア島に行くのはほぼ大学を卒業している人達だ。
スクートムは大学生から正式に入ることが出来るが試験が必要な為誰でも入れる訳では無い。高校生もたまにスクートムの助っ人として働いてることがあるが、それはスクートムが管理している高校に推薦された人だけだ。その高校は勿論他の普通の高校生もいる。推薦された人だけだと生徒が少なすぎるからだ。その高校に通う1部の人達とスクートムの人達が今の日本を主に関東地方を護っている。
そして、うちはそんな凄くて原作に思いっきり関わっている組織に入ったらと兄さんに言われた。
原作に関わるのはごめんだ。勿論親も反対するだろうしその心配する必要は無さそうだし考えるのはやめた。