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障子の向こう  作者: 水野うしお
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【十八話】心霊スポット


これはつい最近聞いた話。


今年の年明け頃のことだ。

友人の兄が葬式に参列した。高校時代からの友人のだったという。

それも、二人。


「何?心中でもしたか」


と聞くと、実はそうっぽいと友人は話した。


「別に恋人って訳でもなかったんだけど……なんか二人で車の中で煉炭焼いて一酸化炭素中毒で死んだって」

「へぇ、お互い不倫相手とかじゃなかったん?」

「そもそもそういう目でお互い見たことないって言ってた。多分、これは本当に信じていいと思う。兄ちゃんはそういうの見る目あるから」


そもそもなぜそんな話を私に振ったのか。この話は心中自殺したことが怖いのではなく、その前の話が怖いのだそうだ。


仮に亡くなった二人をA,B、他の方をC,Dとする。

亡くなる二週間ほど前の話Aさんが心霊スポットに行こうと言い出したそうだ。もともと廃墟巡りが好きで恋人ともよく行っていたそうだが、その恋人が年始はどうしても忙しく、会えない日々が続いて誰かと出かけたかったという。いの一番に行こうと言ったのはBさん。続いてCさん(友人の兄)、Dさんも行こうと乗り、日時まで決めてあとは出発するだけだった。

しかし、ここでCさんとDさんに急遽仕事が入ってしまった。年始ということもあり、断り切れる様子でもなかったので、残念ながら延期しようかと言う話になったが、その心霊スポットが壊されるという噂を聞いていたAさんはどうしても行きたいとゴネて、Bさんと二人で行くことになったという。

その様子は動画に撮って、共有グループに送られていた。こんなものが落ちていた、案外まだしっかりしている、特に何も無かった。気になったのが、まだ寒い季節だと言うのに風の音がひとつもなかったことだという。


「その後からなんやけど、二人と連絡つかんくてさ。で、三日くらい経ってAさんの彼氏から行方不明って話になって」

「え、じゃあ心霊スポット行ってから二人とも帰ってなかったん?」

「そうっぽい。大人がたった三日行方わからんくても警察って動いてくれんらしくて、ほんでBさんの家族の人も友達の家に泊まってるんだろうなってことで大騒ぎにはならなかったらしいんよ」


しかし、行方が分からず十日たったある日、とある山の中でBさんの車が発見された。見つけたのはツーリングをしていた人だったらしく、嫌な予感がして中を覗くと、心中自殺している二人を発見したらしい。

その心霊スポットで二人が何を見たのか誰にも分からないが、お兄さんは「遊びで心霊スポットなんか行かない方がいい」と友人に険しい顔で忠告したそうだ。


ちなみに、その心霊スポットは今でも取り壊されておらず、心霊スポットとして度胸試しをしに行く人がいるそうだ。

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