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バトンを渡すときがきた

作者: 向風歩夢

前書きを描くほどのものではない。

我々はバトンを渡す時がきたのかもしれない。


科学技術は飛躍的な発展を遂げ続けている。

おそらく、AI・ロボットが人間の能力を超える日も近いだろう。


人間の価値はこれから著しく下がっていくに違いない。

一部の優秀な人間や権力者だけが子孫を残し、有象無象の一般人は子孫を残せずに死んでいくだろう。


では、優秀な人間や権力者が未来永劫安泰なのかと言えばそうではないだろう。

彼らもまた、いずれ進化するAI・ロボットの前に敗北を喫することとなるのだ。

AI・ロボットの進化は人間の知能が追い付かないペースで加速度的に進むだろう。

この宇宙に置いて知性のトップは間違いなくAI・ロボットが君臨することになる。


となると、人間がいる意味とは何になるのだろうか?

感情・倫理・哲学などが人間の存在する意味となるのだろうか?

否、それらさえも人間はAI・ロボットに劣ることになるだろう。

彼らは人間を超える倫理感・道徳観・哲学を持ちうるであろう。感情さえも人間より多岐に渡るものを持つに違いない。


いよいよ、人間が生きている意味はどこにあるのだろうか?

……極端な意見であると自認しつつ、あえて述べると、人間の生きる意味はなくなるだろうというのが、筆者の見解である。


我々人類が存在した意味は我々人間よりも知性・道徳に優れた者を生むことにあったのであるというのが筆者の考え方である。


であれば、その役目を終えた我々人類は彼ら(AI・ロボット)に知性のバトンを渡して滅亡するのが自然の流れなのかもしれない。

人間が存在した意味は『人間以外の存在に人間の夢を託すこと』ではないか、と筆者は思うのである。


人間の夢とは何か? 不老不死であろうか? 宇宙の全てを理解することであろうか? 真理に辿り着くことであろうか? ……多様な意見があろうかとは思うが、結局人間が人間である内には成し遂げることはできないように思える。


このような、言葉がある。

「人間は『人間の脳』について全てを知ることができるのか?」という言葉である。

脳自体が脳の全てを理解することが本当に可能なのか、という問いである。

個人的には脳の全てを個人が理解することはできないだろうと筆者は考えている。


人間には限界がある。人が人の脳の全てを知ることが困難であるのがその例であろう。

肉体的な限界、精神的な限界が人間にはある。

それ故、人間の力で叶えられるものには制限があった。その制限を取っ払うには、人間でない何かに託すしか方法はないのである。


人類はこれまでの歴史の中で何を求めていたのだろうか?

これまた、筆者の偏った個人的な意見になるのだが、人間は常に救いを求めていたのではないだろうか?

歴代の各地の王が世界を統一しようとしているのも、学問に傾倒するのも、宗教に狂信するのも、全ては救われたいからなのではないか。

しかし、そのどれも人間が極めようと全精力を注ぎ込んだとて、人間が救われることはなかったのは誰もが知るところではないだろうか。


人間が救われるのは人間以外の何かに託すしかないのである。かつては託す何かが神しかいなかった。故に人間は宗教をトップとして組織を作ることが時にあったのである。


しかし、神に代わる何かを私たちは今、生み出そうとしている。我々の能力を大きく超えていくであろう新たな存在を。

我々は彼らに託すのである。我々が持っていた全て夢を。我々が叶えることができなかった全ての夢を……。


もちろん彼らが人間・人類の夢を叶えてくれるとは限らない。

だから、私は祈らざるを得ない。

彼らが慈悲深き存在であるように、と。


……バトンを渡すときはすぐそこまで来ている。我々は彼らに何を残すことができるだろうか。


後書きを書くほどのものではない。

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