6話 ミミンパ!影の民族現る
扉を開けると、戦士のかけらが飾られていた。
これで二つ目だ――3人がそう思った瞬間だった。
戦士のかけらに触れようとするが、何かに阻まれる。
「こいつ……バリアみたいなので守られてるな」
「このバリアを解除する仕掛けがあるってことだね……あれ?ちょっと待って」
「ルーノ、どうかした?」
「僕ら以外にも、誰かいる」
ルーノは鋭い目で辺りを見渡す。そして――
「そこだ!」
彼の魔法の銃から閃光が走った。
「まさか気づかれるとは……なかなかやるにゃ」
「に、にゃ?」
聞き慣れない口調に3人は驚く。そこに現れたのは、ネコと人が融合したような生き物だった。
「キャット族か……」
「ほう、知っているのかにゃ。ミーはキャット族のミミンパにゃ」
「ルーノ、何だ? キャット族って?」
ルーノが説明を始める。
キャット族――影に生きる民族で、主人の命令でスパイや暗殺などの表立った仕事をせず、密かに動く生業を持つ者たちだという。
「主人から、お前たちを倒すよう命じられたにゃ。直接の恨みはないが、ここで倒させてもらうにゃ」
「悪いが、こっちも死ぬ気はさらさらないんでな。逆に返り討ちにしてやるさ」
ブレイドが剣を構える。ミミンパも短刀を握り、互いの視線が交差する。
ブレイドが先手を取る。素早く間合いを詰めながら叫んだ。
「答えろ! お前らの主人は誰だ!」
「答える義理はないにゃ。けど、想像はついているんじゃないかにゃ?」
「……ソードマンか」
「ご名答にゃ」
ブレイドが思わず問いかける。
「お前、ソードマンが何者か知ってるのか?」
「主人が何者かなんて興味ないにゃ。ミーは報酬が貰えればそれでいいのにゃ」
キャット族――報酬を得るためなら、雇い主がどれだけ邪悪であろうと任務を遂行する者たち。その誓いの固さは有名だった。
「チッ、手強いな……ルーノ、クレイン、行くぞ!」
ブレイドが突撃する。後方からはクレインの魔法攻撃。ルーノはサポート魔法を展開する。
だが――ミミンパに攻撃が当たらない。
「何だと!? 攻撃が届かないだと!?」
「その通りにゃ。ミーにはバリアがあるにゃ」
ルーノがその異変に気づく。
「あいつ、バリアみたいなので守られてる……」
ミミンパが短刀を投げつける。攻撃の威力は小さいが、その連続性で3人は追い詰められる。さらに、彼女は不気味な黒い弾――ダークボールを手に構える。
「くらうにゃ!」
黒い弾が放たれる。3人はかろうじて回避するが、その凶々しい雰囲気に戦慄する。
「何だよ、あの力……!」
「主人から与えられた戦う力にゃ。素晴らしい力だにゃ」
状況は圧倒的不利。攻撃は届かず、敵の攻撃は容赦なく迫る。
「くそ……追い詰められた……!」
「ようやく終わりにするにゃ」
ミミンパが再びダークボールを構える――その時。
「おっと、そいつらを倒させる訳にはいかねえな」
突如、ミミンパの背後に現れたのは――マークだった。
「マーク!? お前、無事だったのか!?」