5話 タカイ山の神殿!隠し通路を探せ
クリーム平原に戻った3人は、次の目的地をタカイ山の神殿に決めた。
地図を見ると、それが最も近い場所だったという単純な理由だ。だが、ルーノもクレインも特に反対する理由はなかった。
タカイ山の麓に着いたのは夕方頃だった。
「夜に登るのは流石に危険だな」とブレイドが言い、3人は近くの村で一泊することにした。
翌朝、山の麓に戻ってきた。タカイ山は目の前にそびえ立ち、その頂は見上げるほど高く、雲に隠れている。
「これがタカイ山か」
ブレイドが感嘆の声を上げる。
「ここを登らなきゃいけないのね。頂上に神殿があるのかしら?」クレインは険しい表情で呟く。
「うわぁ、この山を登るのか…」ルーノが溜息交じりに言った。
タカイ山はこのサン大陸で最も高い山。整備された登山道があるわけでもなく、険しい道のりだ。
「気を引き締めていこうぜ」とブレイドが声をかけ、3人は山登りを開始した。
しかし、その道中は想像以上に過酷だった。整備されていない道に足を取られ、滑落しかける場面が何度もあった。そして、モンスターの出現頻度が異常に高い。しかも、それらは普段よりも明らかに凶暴化していた。
「これもソードマンの影響か…?」ブレイドは息を切らせながら呟く。
夕方頃、ようやく山頂に到着した。目の前には立派な神殿がそびえ立っている。
「はあ、はあ、やっと着いた…」ルーノは膝に手をついて息を整える。
「思ったよりも時間がかかったわね」クレインは汗をぬぐいながら呟く。
「おかしいな、もっと楽に登れるはずの山だったんだけどな」ブレイドも首をかしげた。
だが、今はそれを考えている場合ではない。目の前の神殿攻略に集中するべきだ。
「まあ、考えても仕方ねぇ。行くぞ、2人とも」
タカイ山の神殿に足を踏み入れると、中は迷宮のような構造になっていた。
「今回は一本道じゃなさそうだな」
「道がいくつもあるわね。クリーム平原の神殿とは全然違うわ」とクレインが分析する。
「それにしてもヒントがなさすぎるだろ。昔訪れた誰かが何か残してくれてればいいけど…」
そう言いながらも、3人は適当に道を選んで進む。しかし、それはやはり裏目に出た。
「ねえ、ブレイド。私たち迷ってない?さっきから同じところを行ったり来たりしてる気がするよ」クレインが不安そうに問いかける。
「…迷ったな、これは」ブレイドは観念したように認める。
「だから言ったのよ、適当に進むなんて良くないって」とクレインが呆れた口調で言う。
仕掛けも何も見当たらない迷路状の神殿に、全員が頭を抱える。
「他に考えられるのは…隠し通路くらいかしら」クレインが提案する。
「隠し通路ねぇ…地道に探すしかねえな」とブレイドは壁を叩き始めた。
しばらくして、ブレイドの手がある壁を叩いた瞬間、音が微妙に違うことに気づく。
「おや、ここだけ音が違うぞ」
「まさか、隠し通路…?」ルーノの目が輝いた。
「ここは私に任せて」クレインは魔法を詠唱し、爆発の呪文を放った。
壁は崩れ、その奥から暗い通路が現れる。
「驚いたな。本当に隠し通路があったとは」とブレイドが感嘆する。
「絶対この先に戦士のかけらがあるよ!行こう!」ルーノは興奮気味に言った。
3人は通路を進む。そこは一本道で、やがて巨大な扉の前にたどり着く。
扉には見覚えがあった。クリーム平原の神殿で見たものと同じタイプだ。
「さて、いよいよだな」とブレイドが構える。
「ここからが本番ね」とクレインが静かに頷く。
緊張感が高まる中、3人は扉を押し開けた——。