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敗北から始まる!ブレイドの冒険物語  作者: 旅立 マス
2章 戦士のかけら
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4話 攻略!クリーム平原の神殿

クリーム平原の神殿の中は水浸しだった。

そりゃそうだ。さっきまで水底に沈んでいた場所なのだから。


「ここに戦士のかけらがあるのか?」

「ここが本当に目的の神殿ならね」


神殿内部は一本道で迷うことはなさそうだ。真っ直ぐ進んでは階段を降り、また進む。それをひたすら繰り返す。


「ふう……どこまで続くんだろうね」

「ホントにね。私、もうクタクタ」

「どうやら、目的地が見えてきたみたいだぜ」


目の前に現れたのは大きな扉。これが一本道の終着点のようだ。ブレイドはその扉を開いた。


扉の向こうは何もない広間。ただし、奥にさらにもう一つ扉がある。どうやら、あの奥に戦士のかけらがあるのだろうか。


「何だろうな、この広間は?」


広間の真ん中には、玉座のような椅子が一脚置かれていた。


「見て!扉の近くに椅子があるわ。きっと偉い人がここに居たんだわ」


王の間を思わせる佇まいだが、やけに無駄に広い。ふと、その椅子の後ろに人影が見えた。


「よく来たね」


低く静かな声が響く。


「誰だ!?」


現れたのは信じられない人物だった。


「スザク!?」


ルート村でブレイドを守り、倒れたはずの仲間、スザクがそこに立っている。


「ねえ、あれ、本当にスザク君なの?何か様子が変じゃない?」


「私は正真正銘、スザクだ。だが今は、君たちを倒すためにソードマン様から送られてきた」


「待て、どういうことだ!?」


スザクの瞳には闇の力が宿り、異様な光を放っている。


「今の私はソードマン様の部下だ。そして、ソードマン様は君たちが戦士のかけらを集めることを想定済みだよ」


「ブレイド、彼から闇の力を感じる……」


「スザク、目を覚ませ!」


「そうは行かない。君たちはここで終わりだ。出でよ、モンスター、ガジラ!」


突然、地響きが神殿全体を揺るがす。


「な、なんだ!?」


地面を割るようにして姿を現したのは巨大な亀のモンスターだった。


「う、嘘でしょ!?あれ、何よ!」


ルーノが急いで『モンスター図鑑』を開く。


「えーっと、あれは……ガジラ。水辺に生息していて、普段はおとなしいはずなんだけど」


「ちょっと待って、それ本当におとなしいの?完全に敵意むき出しよ!?」


「そうだね……このモンスターにはソードマン様の闇の力が注がれている。凶暴化しているんだよ」


「厄介だな。ルーノ、クレイン、戦うぞ!」


ブレイドたちは各々の武器で攻撃を仕掛けるが、その硬い甲羅は物理攻撃をほぼ無効化する。


「ちっ、ダメか……クレイン、魔法はどうだ!?」


「やってみる!」


クレインの放った魔法攻撃。しかし、ガジラは瞬時に甲羅に身を潜め、それすら防ぎきった。


「そ、そんなの反則じゃない!ルーノ、何か手はないの?」


「待って……えーっと……」


ルーノはモンスター図鑑を睨みつけた。


「そうか!弱点は尻尾かもしれない!」


「よし、分かった。奴の尻尾に集中攻撃だ!」


3人は連携し、ガジラの動きを引きつけつつ尻尾を狙う。ブレイドの剣が鋭く尻尾を切り裂き、ついにガジラは力尽きて倒れた。


その瞬間、スザクの姿もかき消えるように消失した。


「スザク……」


ブレイドは拳を握りしめ、苦々しい表情を浮かべる。


「大丈夫、きっと助ける方法はあるわ」


「そうだよ、ネガティブな思考じゃ何も解決しないよ。方法は絶対にあるさ」


「……ああ、ありがとう。絶対にスザクを助け出す」


3人は決意を新たに奥の扉を開く。そこには神秘的な祭壇があり、輝く扇型の石が鎮座していた。


「これが……戦士のかけらか?」


ブレイドが手を伸ばすと、石が輝きを増した。


「間違いない。これが戦士のかけらだな」


ついに一つ目の戦士のかけらを手に入れたブレイドたち。だが、試練はまだ始まったばかりだった。

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