3話 クリーム平原!神殿を探せ
セントラルタウン。
サン大陸北部の中心都市で、ルート村出身のブレイドは買い出しや用事でよく訪れる。
ソードマンの騒動があったにもかかわらず、街の様子はいたって平穏だ。街角では話題にする者もいるが、それも噂話の域を出ない。
そんな街の一角で、ブレイドとルーノはある人物を待っていた。
「おーい!」
遠くから聞こえてきた声に振り向くと、ローブを羽織った茶髪のポニーテールの女性が近づいてくる。
「よう、クレイン。久しぶりだな」
「ブレイド、ルーノ!ほんと久しぶりね!」
彼女はクレイン・プライド。かつて冒険を共にした仲間だ。
今回、戦力を増強するためにルーノが呼び寄せた。
「いきなり呼び出して悪かったな」
「気にしないで。それより、世界の危機なんでしょ?私も協力するわ」
「頼りにしてるぜ、クレイン」
「任せて!」
クレインは魔法を得意としており、かつての冒険では後方からの支援で幾度も仲間を助けた。今回もその力は欠かせない。
「さて、これから向かう目的地は三箇所あるけど、どこから行く?」
クリーム平原の神殿。
タカイ山の神殿。
キノ湖の神殿。
ブレイドたちは、それらの神殿の正確な場所をまだ知らない。
「よし、まずはクリーム平原の神殿からだな」
「どうして?」
「まあ、クリーム平原って、すぐそこにあるし」
「理由は単純だけど、今はそれでいいわね」
こうして、最初の目的地が決まった。3人は街で装備を整え、クリーム平原へと出発する。
クリーム平原
サン大陸北部に広がる広大な平原。ルート村もその一角に位置する。
「さて、どうやって神殿を探すか・・・」
「さっき街で地図を買ったわ。オアシス周辺にそれらしきものがあるって書いてあった」
「そんな情報があるのか?なんだか怪しいな」
「地図には載ってないけど、伝承みたいなものよ。ノーヒントよりはマシでしょ」
地図に記されたオアシスを目指して、3人は歩き続けた。途中、モンスターに襲われながらも何とか目的地にたどり着く。
「あれがオアシスか・・・思ったより広いな」
「疲れたね。まずは休もうよ」
3人はオアシスのそばで腰を下ろす。周囲の静けさに一息ついたその時、クレインが背後を振り返った。
「これ・・・石碑じゃない?」
石碑には古びた文字が刻まれていた。
『神殿求めし者、この水に謎を解く手がかりあり』
「神殿への手がかり・・・だと?」
「こんな都合のいい石碑、怪しすぎるけど・・・でも試す価値はありそうね」
ブレイドは水の中に手を入れてみる。冷たい感触の中に、なにか固いものが触れた。
「これ・・・スイッチみたいだな」
ポチッ。
突然、地面が揺れる。水面が泡立ち、轟音とともに巨大な建物が姿を現した。
「なんだこれ・・・!」
「どう見ても神殿でしょ・・・」
クレインが目を見開く。目の前にはまさに「神殿」としか呼べない荘厳な建物がそびえ立っていた。
「まさかこんな簡単に見つかるなんてね・・・」
「いや、簡単すぎて逆に怖いんだが」
3人は慎重に神殿へと足を踏み入れる。内部にはさらなる謎が待ち受けているのだろうか。彼らの冒険は、新たなステージへと突入した。