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敗北から始まる!ブレイドの冒険物語  作者: 旅立 マス
1章 ブレイドの旅立ち
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2話 試練の始まり!戦士のかけらを集めろ

目の前の老人はゆっくりとフードを取った。

「あなたは……フーラン老師!」


フーラン・スターライト。

スターライト一族の長老であり、ブレイドの旧友ルーノを介して知り合った人物だ。


「久しぶりだな、ブレイドよ」

「老師! ですが、今はこんなところで再会を喜んでいる場合ではありません! ソードマンが現れたんです。倒さなくては!」


ブレイドの焦る声を聞き、フーランは眉をひそめた。

「馬鹿を言うな! お主、完全に負けていたではないか!」

「……っ!」


鋭い指摘に、ブレイドは思わず口をつぐむ。

「わしが助けなければ、今頃どうなっていたと思う?」

「すみません……」


ブレイドは、自分がソードマンにコテンパンにされた瞬間を思い出した。剣の腕に自信があった自分が、無力だったあの瞬間を――。

だが、それよりも今、気になるのは別のことだった。


「そうだ、ルーカス達は!? 彼らは無事なんですか?」


ソードマンの攻撃から自分を守るために立ちはだかったルーカスとスザク。

二人の安否を確かめたいという思いが胸を駆け巡る。


フーランの表情が曇る。

「……すまぬ。ソードマンの攻撃は激しく、わしにはお主を救うだけで精一杯だったのだ」

「そんな……!」


だが、フーランを責めることはできない。

結局、自分がソードマンに敗北したことが原因だ。今はただ、二人の無事を信じるしかない。


その頃、ルート村の片隅で、ソードマンは空を見上げていた。

フーランの光の球が消えた方向をじっと見つめるその目には、余裕の笑みが浮かんでいる。


「運のいいやつだ。あの光の球め、余計なことを……」


その傍らでは、傷ついたルーカスとスザクがかろうじて目を開け、ソードマンを睨みつけていた。


「兄さんは……必ずお前を倒しに来る……!」

「そうだ……ブレイドさんは絶対に負けません!」


二人の言葉に、ソードマンは鼻で笑った。

「ブレイドがか? あいつは逃げたんだ。ただの弱虫だ」

「兄さんは必ず来る! 強がるのは今のうちだぞ!」


ルーカスの言葉に、ソードマンは目を細める。

「ほう、ブレイドがまた来るか。それはそれで楽しみだな……そうだ、いい考えがあるぞ」


次の瞬間、二人の視界が真っ暗になった――。


「老師、星の国で何が起こったんですか?」


光の球に乗って移動する中、ブレイドはフーランに問いかける。

フーランは静かにため息をつき、重々しい声で語り始めた。


「スターストーンが盗まれたのだ。もし悪用されれば、世界は再び闇に覆われるだろう」

「なんですって!? 取り戻さなければ!」


ブレイドは拳を握りしめた。

スターストーン――星の国にとって最も重要な宝石であり、同時に恐るべき力を秘めた存在。その悪用が何をもたらすかは、ブレイドにも想像がついた。


「だが、今のお主では勝てぬ。まずは力をつけねばならん」

「……分かりました。何をすればいいんですか?」


フーランは頷き、具体的な指示を与えた。

「『戦士のかけら』を三つ集めるのだ。それらは、ある強力な武器を手にする資格を証明するものだ。その武器こそが、お主の鍵となる」


戦士のかけらは、近隣の三つの神殿――クリーム平原、タカイ山、キノ湖にあるという。

さらに、スターストーンを守る者の一人であり、旧友のルーノがブレイドと同行することになった。


「久しぶりだね、ブレイド。僕も一緒に行くよ」

「ルーノ! 君がいてくれるなら心強い!」


再会を喜び合いながら、ブレイドとルーノは新たな旅に出発する。


「必ず勝ってみせる。ルーカス、スザク、待っていろ――!」


こうして、星の国と仲間を救うための新たな冒険が幕を開けた。

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