1話 ブレイド!敗北から始まる物語
ここはサン大陸。かつて「ソードマン」と呼ばれる侵略者との戦いが繰り広げられた地だ。
数百年にわたる平和が続くこの大陸には、広大なマッシュルーム平原が広がり、その一角に位置するルート村から物語は始まる。
村に住む青年、ブレイド・ライオット。彼は狩人として日々生計を立て、平穏な暮らしを送っていた。
ある日の朝、彼の元に一通の手紙が届く。
「ブレイドへ。今日こそ永遠のライバルとしての決着をつけようじゃないか。
と、いう訳で決闘だ!いつもの場所まで来い! マークより」
この手紙の送り主は、幼少期からの親友でありライバルのマーク・エリウッド。
学問でもスポーツでも、彼らは常に競い合い、剣術の腕も互角。そのライバル関係は現在も続いている。
「マークのやつ、相変わらずだな……。けど、今日は勝つぞ!」
そう呟くブレイドを見て、弟のルーカス・ライオットが尋ねる。
「兄さん、また行くの?」
「当たり前だ。今日こそ決着をつけてやる!」
さらにそこへ、幼なじみのスザク・ヨースターが顔を出す。
「ブレイドさん、頑張ってください。いつもの場所まで一緒に行きましょう!」
「いつもの場所」とは、村外れにある小高い丘のこと。剣術の修行に最適な場所であり、彼らの思い出の地でもある。
丘に到着すると、マークが既に待ち構えていた。
「よく逃げずに来たな!褒めてやる!」
「ふん、今日は勝たせてもらうぞ!」
「望むところだ!」
こうして二人の剣術勝負が始まる。剣が交錯し、互角の戦いが続く。
「さすが俺のライバル、やるな!」
「お前もな!」
しかし、その瞬間だった。
ピシャーーーン!!
突然、雷のような轟音が響き、地面が揺れる。
「な、なんだ!?」
「おい、ブレイド、そんな技を隠してたのか?」
「いや、俺じゃない!マーク、お前だろ?」
「いや、俺も知らんぞ!」
雷が落ちた場所から煙が立ち上り、そこから不気味な声が響く。
「フフフフ……」
煙の中から現れたのは、かつての侵略者——ソードマンだった。
「ワシの名を知らぬか?」
「まさか……!はるか昔、スターストーンを使い地上侵略を目論んだあのソードマンか!?」
ブレイドたちが驚愕する中、ソードマンは不敵に笑う。
「ほう、お前はライオットの一族か……。直接の恨みは無いが、ここでお前を倒しておくのも悪くないな。」
「ふざけるな!ご先祖様が倒した悪党なら、子孫である俺が再び倒してやる!」
ブレイドは剣を構えたが、ソードマンは光線を放ち、容赦なく彼を襲う。
防ぎきれずに地面に倒れるブレイド。さらにルーカスとスザクも必死に彼を守ろうとするが、圧倒的な力に追い詰められる。
その時だった。
突然、眩い光が現れ、倒れたブレイドを包み込むと共に、その場から消え去った。
「ちっ……逃したか。」
光に包まれて運ばれた先で、ブレイドは目を覚ます。
彼の目の前には、一人のフードを被った老人が立っていた。
「やれやれ、何とか間に合ったな。ブレイドよ、派手にやられたものだ。」
「……あんたは」
不思議な老人の登場が、ブレイドの運命を大きく変えることとなる——。