盗まれたスターストーン
ここは宇宙の片隅――星の国。
そこは、人々が「星の国」と呼ぶ平和な場所だった。
この国には、代々守られてきた伝説のお宝がある。
その名は 「スターストーン」。
この石の力によって、星の国だけでなく、宇宙全体の平和が保たれていると言われている。
また、スターストーンには計り知れないエネルギーが秘められており、それを手にした者は、世界を変えるほどの大きな力を手にするとされていた。
その神秘を守り続けてきたのが、星の国のトップである 「スターライト一族」 である。
彼らは代々、このスターストーンを管理し、その力を慎重に見守り続けてきた――。
そんなある日のことだった。
「今日もスターストーンは異常なし、っと……」
静かな光を放つスターストーンを前に、青年はつぶやいた。
彼の名は ルーノ・スターライト。
スターライト一族の若き守護者であり、スターストーンの見守りを日課としている。
平穏そのものだった日常が、崩れ去る瞬間は、突然やってきた。
ゴゴゴゴゴ……
「……? この音は?」
ルーノが不穏な音の方向に振り返ったその時――
「……ああっ! スターストーンが!」
なんと、スターストーンが突如として消えたのだ。
「スターストーンはいただいた!」
鋭い声が響く。振り向いたルーノの目の前に現れたのは、一人の老人だった。
だが、その老人から放たれる異様な気配に、ルーノはただの老人ではないと直感する。
「お前は誰だ!? なぜスターストーンを奪った!」
老人はニヤリと笑うと、低い声で答えた。
「わしの名を知らぬか? ソードマン――そう名乗れば思い出すだろう」
「ソードマン……!? まさか、あの!」
ルーノの顔が青ざめる。
ソードマン――それは、遠い昔、スターストーンの力を使い、世界を征服しようとした男の名前だ。
スターライト一族の裏切り者にして、かつて最も恐れられた存在。
彼の野望は仲間たちによって阻止され、二度と目覚めることのないよう封印されたはずだった。
「封印が……解けたのか?」
ルーノの声は震えていた。だが、その疑問に答える間もなく、ソードマンは不敵な笑みを浮かべた。
「このスターストーンの力で、今度こそ……宇宙を我が手に収めてみせる!」
「やめろ! それを返せ!」
ルーノが叫ぶも、ソードマンはひらりと身を翻し、消え去った。
残されたのは、深い静寂と、ルーノの焦燥だけだった。
「……まずい。このままでは、あの時と同じ戦いが……いや、それ以上の惨劇が起きてしまう!」
ルーノは拳を握りしめた。そしてすぐに決意を固める。
「地上へ行こう。助けを求めるんだ……あいつなら、きっと力を貸してくれる!」
そうつぶやくと、ルーノはその場を飛び出した。
行き先は地上。待ち受ける危険も恐れずに、彼は仲間のもとへと向かう――。
こうして、世界を揺るがす冒険が、今、始まった。