25話 追え!クリスタルココナッツ
モンスター退治をしたブレイドたち。
そこにいたのは、ブレイド達にモンスターが現れたことを知らせたリュシアだった。
なんだか嫌な予感がする・・・
急いで戻ると、クレイン、マーク、カンキーが縄で縛られていた。
「すまねえ、ブレイド。ドジった・・・」
「やられたわ、偽物のリュシアちゃんだったなんて・・・」
「それより、気をつけろ、クリスタルを奪った張本人が目の前に!」
目の前にはフードを被った人物が居た。まるで、ブレイド達が来るのを待っていたかのように。
「お前、何者だ?」
「私が何者かはどうでもいい。大事なのはこのクリスタルココナッツを取り戻したいんじゃなくて?」
なんだこいつ。こいつの狙いが分からない。
「これを取り返したければ、追ってくるがいい」
そう言うと、フードの人物は空を飛んで去っていく。
「ブレイド、箱の中に役立つアイテムがある」
カンキーが示すところに、箱があった。中には背中に背負うジェットエンジンが付いた何かが入っていた。
「こいつで空を飛べる!アカデミーに居た時、オレが作ったものだ。空を飛べることは実証済みだから何とかなるはず」
「分かった。使わせてもらうよ」
カンキーが作った装置を身にまとう。飛べることを信じて・・・
「よし、行け!」
エンジンに火がついた。これで空を飛べそうだ。
とにかく、あのフードの人物を追わないと。
飛んでからそんなに時間は経っていないはずだ。辺りを見てみる。
「あそこか!」
遠くではあるが、それっぽい格好している奴が見えた。
「さて、追いついたぞ。観念してそいつを返してもらおうか」
フードの人物がクリスタルココナッツを出す。意外とあっさりと返すのか?
警戒した方が良さそうだ。フードの人物もこちらが警戒していることに気づく。
「警戒して当然ね。あなたのその読みは当たっているわ。私の狙いは、その剣を持つ貴方」
「俺が狙いだと・・・!?お前、一体・・・」
フードの人物が魔法で周りを輝かせた。なんだ、この輝きは・・・
「ちっ・・・」
輝きが収まった。目の前に鳥型のモンスターがいる。
「コイツは・・・」
火山地帯にしかいないモンスター、フレバードが巨大になったもの。
「まさか、お前が島にモンスターを!」
「このお宝は、コイツを倒して取り戻すことね」
そう言うと、フードの人物はクリスタルココナッツを海に捨てる。
それを追おうとした。フレバードがそれを阻止してくる。
「くそ、邪魔だ!」
スターブレードを振る。意外にもモンスターは簡単に倒れる。
「なんと、一撃か」
「間に合え!」
だが、間に合わず、海に落ちた。
「ちくしょう。間に合わなかったか・・・」
潜れば追いかけられるが、正直水中でゴーグルでもしない限り見つけられる自信がない。
こりゃ、正直お手上げだな・・・
「おーい、ブレイド!」
希望が現れた気がした。
クレイン達がモーターボートでこちらまで追いついてきた。
「リュシア、すまない。クリスタルココナッツが海に」
「おいおい、ブレイド、それマジかよ、どうやって追いかけるんだ?」
「という訳で、何か水中潜れるアイテムないか?」
「ブレイド・・・いくら何でもそんな都合よくあるわけが・・・」
「あるわよ」
リュシアは一つの布を渡した。
「アクアマントっていう装備アイテム。どういう理屈か分からないけど、水中を地上にいるように自由に行き来できる効果があります」
「なんで、そんな都合のいいアイテムがあるんだよ・・・」
「ほら、観光客がやってきたときに、この海を自由に見てもらおうとカンキー兄さんに開発してもらったわ」
わーお・・・開発ってなんでもありなんだな・・・って思った。
「とにかく、こいつがあれば、水の中でも行けるんだな?」
「ただ、一人分しかないわ」
「水の中に行ければ十分だ」
そう言い、早速アクアマントを装備していた。
本当にこれで水に潜っても大丈夫なのか怪しいが信じるしかないか・・・
「とりあえず、これで水の中で探せる。流される前に・・・」
「そうだ、もう一つ。タブレット端末に追跡アプリを入れたわ。クリスタルココナッツに発信機つけてたから追えると思う」
「オッケー。じゃあ、行ってくる」
そう言い、水の中へと進む。
果たして、クリスタルココナッツを元の位置に戻すことができるのか?
発信機を追って、ブレイドは水中を進むのだった。