14話 クロキ!ビール川での再会
セントラル水路の門が開いて、流された3人。
溺れてはいないようだ。
「ねえ、2人とも。何かゴーって音がするんだけど・・・」
「そりゃ、この先に滝があるからだろ」
「なるほどね。滝があるから・・・ってええ!?」
「諦めた方がいいよ、クレイン。覚悟を決めなきゃ」
「2人とも冷静ね」
「焦ってもしょうがないでしょ」
ルーノは既に諦めたようだ。
どちらにしても泳いで何とかなるスピードではない。
そういうことだろう。
案の定、そのまま滝から落ちた3人。
滝と言ってもそこまで高い訳ではないので、そのまま下の川に落ちた。
「ぷはーっ、そんなに高い滝ではなかったのね。緊張して損したわ」
「とりあえず、陸に上がれそうな場所がこの先にあるから、そこまでは泳いでいこう」
数分後、上がれそうな場所を見つけた。
そこに、ブレイドにとって見知った顔の人が居た。
「やあ、相変わらずおかしな現れ方するもんだね」
「ほっとけ。久しぶりだな、クラフト」
目の前の男性、ビール・クラフト。
セントラル水門を管理している責任者だ。
「お前のところの水門は何でこういつもタイミングが悪い時に開くんだ?」
彼との初めての出会いもこんな感じでビール川に流されて出会ったのだった。
「お前が現れるタイミングが悪すぎるだけでしょ。それよりも面白いもの見つけたぜ?」
「面白いもの?」
クラフトの後ろにもう1人、ブレイドとは少し歳下の男の子が立っていた。
「ブレイドさん、お久しぶりッス」
「クロキ!どうしてここに?」
ブレイドに久しぶりと声をかけたのは、クロキ・カヤック。
クロケロ湖付近にあるカラーズという村の住人。
そこには、遺跡があって、以前その遺跡の案内をお願いした。
しかし、彼がどうしてここにいるのか。
「実は、彼は川で大怪我して流されてるとこを僕が助けてあげたんだ」
「お前が管理する川は何?人が流れてくる呪いか何かでもあるのか?」
「そうだな。一度、周辺の通り道を見直してみるよ」
「2人とも話してもいいッスか?」
「おう、悪いな」
話は、ブレイド達の旅が始まった頃だ。
クロキはカラーズで観光案内事業をしている。
仕事が無い時は村の何でも屋みたいなことをしている。
「ああ、今日も暇ッスね」
「クロキ、ヒマを平和とは言わないよ?」
クロキと一緒に仕事をしていて、幼馴染のテバスは言う。
「テバスじゃないッスか。何か用ッスか?」
「やれやれ、呑気だな。そうだ、リクを見てないか?用事があったんだが」
リクはテバスと動揺、幼馴染の1人。村の郵便局で働いてる。
「リクッスか?さっき、村の入り口に向かうのを見たッスよ?」
ドカーン!
村の入り口方向から爆発音が聞こえた。
「おい、爆発が聞こえた方向ってまさか・・・」
「行ってみるッス」
クロキとテバスは村の入り口へ向かう。
そこは、爆発に巻き込まれたと思われる人が数人。
その中に、リクが倒れていた。
「リク!」
「く、クロキ・・・テバス・・・」
「テバス、医者を呼んでくるッス、オレッチはみんなを助けるッスよ」
テバスは医者を呼びに村の中心に向かった。
その間にクロキは怪我人を助けようとする。
「一体何が・・・」