10話 スターブレード!始まる、ブレイドの物語
キノ湖の神殿を後にしたブレイドたち。
「ところでルーノ、どうやって星の国に行くんだ?」
「スターダストバレーから行けるよ。」
「スターダストバレーって、セントラルタウンの東側にある谷よね?」
「そうだよ。フーラン様がそこでお待ちのはず。」
3人はスターダストバレーに向かった。
この谷は一年中星空が観られる場所で、星屑が採れることで有名だ。
採れた星屑は武器や装備の材料としてセントラルタウンで取引されている。
ルーノの案内で待ち合わせ場所に到着すると、フーランが既に待っていた。
「戦士の紋章を手に入れたようだな。」
「フーラン、もう来てたのか。それにしても、俺たちが紋章を手に入れたこと、どうして分かったんだ?」
「ルーノから定期的に報告を受けておったからの。」
フーランはブレイドを促すように奥へ進む。
しばらく歩くと、青く輝く魔法陣が現れた。
「ここじゃ。この魔法陣に入れば星の国に行けるぞ。さあ、準備はいいか?」
ブレイドたちは魔法陣の中へ入った。
視界が真っ暗になり、次の瞬間、全く異なる風景が広がった。
「ここが星の国?」
「そうだよ。ここが僕の故郷、星の国さ。」
まだ昼間のはずなのに、辺りは夜のように暗い。
ルーノによれば、この国は年中暗闇に包まれているが、それでも活気に満ちているという。
「さて、まずはこの先にある神殿に向かうがよい。」
フーランが指差す先には、大きな神殿がそびえ立っていた。
「あれが星の神殿?」
「そうだ。恐らく、そこでお前たちが求めるものが見つかるだろう。」
3人は神殿の前までたどり着いた。
遠目からでも巨大だったが、近くで見るとその迫力は圧倒的だった。
「この戦士の紋章は、神殿の扉を開けるためのものだな。」
ルーノが扉に刻まれた模様を指し示す。
すると、ブレイドが持つ戦士の紋章が輝き出し、重厚な扉がゆっくりと開き始めた。
「ブレイドよ、入るのだ。」
フーランの言葉に押されるように、ブレイドは神殿の中へ足を踏み入れる。
中は一本道で、降り階段が続いているだけだった。
ブレイドが進むと、背後の扉が音を立てて閉じた。
「よくぞ来ました、ブレイドさん。」
突然、どこからか声が響いた。
「誰だ!?どこにいる?」
「今は名乗れません。ただ、私を信じて奥へ進んでください。」
ブレイドは言われるまま階段を降りる。
広間にたどり着くと、中央に台座があり、そこに一本の剣が刺さっていた。
「あれは・・・剣?」
「そうです。この剣こそ、ソードマンに対抗するための武器です。」
ブレイドは剣に近づき、台座に手を伸ばした。剣が眩い光を放つ。
「これは・・・!」
剣は驚くほど自然にブレイドの手の中に収まった。
「スターブレード、と言います。勇者の称号を持つ者だけが扱える剣です。」
「勇者?俺が?」
「そうです。戦士のかけらを集めた貴方には、その資質があります。そしてロックの血を引く者なら尚更です。」
「先祖・・・つまり、これがロックが使っていた剣なのか。」
剣を一振りすると、まるで長年使い込んだかのように手になじむ。
「これがあれば、ソードマンと渡り合えるのか?」
「いいえ、今のままでは不可能です。」
「なんだって?」
「スターブレードの真の力を解放するには、スターストーンが必要です。スターストーンは剣とリンクしており、それを取り戻さない限り完全な力を発揮できません。」
「でも、スターストーンはソードマンが・・・」
「ご安心を。彼にはスターストーンを扱う力はありません。」
「え?どういうことだ?」