8話 キノ湖の神殿!最後の戦士のかけらを手に入れろ
戦士のかけらを手に入れたブレイド。
マークをクレバーのところに預けた後、ルーノと合流し、最後の戦士のかけらがあると思われるキノ湖へとやってきた。
「どこかにあるはずだが、神殿はどこにあるんだ?」
キノ湖はサン大陸で1番の広さを誇る湖だ。果てしなく広がる湖面を見渡しても、神殿らしきものはどこにも見当たらない。
「ん?」
ブレイドが湖の奥を指さした。
「何か見つけたのかしら?」
「いや、あそこだ。湖の真ん中辺りに、不自然な光が見えないか?」
言われてみると、湖の中央付近に淡い光が揺らめいているのが見える。
「確かに……。あの光、普通じゃないわね。」
3人は光の正体を確かめるため、湖へと飛び込み、光が差す方向へと泳いでいった。光は湖の底から発せられているようだ。
「この下からみたいだな。」
「潜って調べてみようよ。」
ブレイドたちは湖の中へと潜り、光が発する場所へと向かった。水中には古びた建物が沈んでおり、光はその建物から放たれているようだ。
建物の中に足を踏み入れると、冷たい水の気配が消え、空気が重く感じられる。
「ここ、クリーム平原やタカイ山の神殿と似てるわね……。」
薄暗い廊下の奥から、かすかな光が揺れている。どうやら目的の場所にたどり着いたようだ。
「ここに最後の戦士のかけらがあるのか。」
「そうね。でも、ブレイド。油断は禁物よ。」
「クレインの言う通りだ。ホントに気をつけてよ?」
「分かってる。心配すんなって。」
3人は神殿の奥へと進む。道は一本道で、途中モンスターが現れるものの、特に大きな障害はない。しばらく進むと、やがて神殿の奥と思われる場所への扉を見つけた。
「今までの神殿のパターンなら、この扉の向こうに戦士のかけらがあるはずだ。」
「そうね。」
「さて、戦士のかけらが本当にあるのかしら?」
ブレイドはゆっくりと扉を押し開けた。
中には、今までの神殿と同じように戦士のかけらが祀られていた。
「戦士のかけらだ。意外とあっさり見つかったな。」
「そうはいかないみたいだよ?」
不意に、クレインが緊張した声を上げた。目の前に、重厚な鎧をまとった戦士が立っている。
「ほう……戦士のかけらを集めている者がいると感じ、見に来たが……なかなか面白そうな奴らだな。」
「あんたは……誰だ?」
鎧の男は大きな斧を肩に担ぎ、冷たく笑った。
「オレか?オレはガット。戦士のかけらを集めている奴がいると聞いて、この神殿に来た。」
「ガットだと……!」
ブレイドの顔色が変わった。
「まさか、あのガットか……ロックと共にソードマンを倒したと言われる伝説の戦士……!」
「えっ?」
クレインとルーノが驚きの声を上げる。
ガット――かつてロックと共にソードマンを倒す戦いに参加した伝説の戦士。巨大な斧を振るい、数え切れない敵を屠ったと言われる男。その名は今も語り継がれる英雄の一人だ。
「ほう、オレのことを知っているのか。そういうお前はロックの血縁か?」
「ちょっと待って!なんで、その戦士がここにいるのよ!?」
クレインが叫ぶ。
「戦いの後、オレはさらなる強さを求めた。その結果が、今のオレだ。」
「……どういうことだ?」
ガットは静かに答える。
「オレは戦いを捨てられなかった。死してなお、この身体は戦いを求め続けている……いわば亡霊のようなものだ。」
「亡霊……だと?」
「そうだ。ソードマンの復活はフーランから聞いた。お前たちが戦士のかけらを集めていることもな。この神殿に来たのは、それを渡すに値する者かどうかを見極めるためだ。」
ガットの言葉に、ブレイドは剣を握り直した。
「分かった。アンタに力を示せばいいんだな?」
ガットはニヤリと笑い、大きな斧を構えた。
「そういうことだ。ただし、命を懸ける覚悟がなければ、この戦いに挑む資格はねえ。」
重い空気が場を支配する。ブレイドたちは目の前の伝説の戦士に向き合い、最後の戦士のかけらを賭けた戦いが、いま始まる。