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敗北から始まる!ブレイドの冒険物語  作者: 旅立 マス
2章 戦士のかけら
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8話 キノ湖の神殿!最後の戦士のかけらを手に入れろ

戦士のかけらを手に入れたブレイド。

マークをクレバーのところに預けた後、ルーノと合流し、最後の戦士のかけらがあると思われるキノ湖へとやってきた。


「どこかにあるはずだが、神殿はどこにあるんだ?」

キノ湖はサン大陸で1番の広さを誇る湖だ。果てしなく広がる湖面を見渡しても、神殿らしきものはどこにも見当たらない。


「ん?」

ブレイドが湖の奥を指さした。


「何か見つけたのかしら?」

「いや、あそこだ。湖の真ん中辺りに、不自然な光が見えないか?」


言われてみると、湖の中央付近に淡い光が揺らめいているのが見える。


「確かに……。あの光、普通じゃないわね。」


3人は光の正体を確かめるため、湖へと飛び込み、光が差す方向へと泳いでいった。光は湖の底から発せられているようだ。


「この下からみたいだな。」

「潜って調べてみようよ。」


ブレイドたちは湖の中へと潜り、光が発する場所へと向かった。水中には古びた建物が沈んでおり、光はその建物から放たれているようだ。


建物の中に足を踏み入れると、冷たい水の気配が消え、空気が重く感じられる。

「ここ、クリーム平原やタカイ山の神殿と似てるわね……。」


薄暗い廊下の奥から、かすかな光が揺れている。どうやら目的の場所にたどり着いたようだ。


「ここに最後の戦士のかけらがあるのか。」

「そうね。でも、ブレイド。油断は禁物よ。」

「クレインの言う通りだ。ホントに気をつけてよ?」

「分かってる。心配すんなって。」


3人は神殿の奥へと進む。道は一本道で、途中モンスターが現れるものの、特に大きな障害はない。しばらく進むと、やがて神殿の奥と思われる場所への扉を見つけた。


「今までの神殿のパターンなら、この扉の向こうに戦士のかけらがあるはずだ。」

「そうね。」

「さて、戦士のかけらが本当にあるのかしら?」


ブレイドはゆっくりと扉を押し開けた。


中には、今までの神殿と同じように戦士のかけらが祀られていた。


「戦士のかけらだ。意外とあっさり見つかったな。」

「そうはいかないみたいだよ?」


不意に、クレインが緊張した声を上げた。目の前に、重厚な鎧をまとった戦士が立っている。


「ほう……戦士のかけらを集めている者がいると感じ、見に来たが……なかなか面白そうな奴らだな。」

「あんたは……誰だ?」


鎧の男は大きな斧を肩に担ぎ、冷たく笑った。


「オレか?オレはガット。戦士のかけらを集めている奴がいると聞いて、この神殿に来た。」


「ガットだと……!」

ブレイドの顔色が変わった。


「まさか、あのガットか……ロックと共にソードマンを倒したと言われる伝説の戦士……!」


「えっ?」

クレインとルーノが驚きの声を上げる。


ガット――かつてロックと共にソードマンを倒す戦いに参加した伝説の戦士。巨大な斧を振るい、数え切れない敵を屠ったと言われる男。その名は今も語り継がれる英雄の一人だ。


「ほう、オレのことを知っているのか。そういうお前はロックの血縁か?」


「ちょっと待って!なんで、その戦士がここにいるのよ!?」


クレインが叫ぶ。


「戦いの後、オレはさらなる強さを求めた。その結果が、今のオレだ。」

「……どういうことだ?」


ガットは静かに答える。


「オレは戦いを捨てられなかった。死してなお、この身体は戦いを求め続けている……いわば亡霊のようなものだ。」


「亡霊……だと?」


「そうだ。ソードマンの復活はフーランから聞いた。お前たちが戦士のかけらを集めていることもな。この神殿に来たのは、それを渡すに値する者かどうかを見極めるためだ。」


ガットの言葉に、ブレイドは剣を握り直した。


「分かった。アンタに力を示せばいいんだな?」


ガットはニヤリと笑い、大きな斧を構えた。


「そういうことだ。ただし、命を懸ける覚悟がなければ、この戦いに挑む資格はねえ。」


重い空気が場を支配する。ブレイドたちは目の前の伝説の戦士に向き合い、最後の戦士のかけらを賭けた戦いが、いま始まる。

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