一緒に下校ってのもタマんないよね?
「へー、大変だったねー」
「そうなのよー。クラス中の女子と男子が『入部させて下さい!』って、さくらを追いかけてね」
「『靴を舐めます』とか『犬と呼んで下さい』なんて言うのもいたなー」
「さくら全部断ったんだよねー」
学校からの帰り道。俺と真由美は隣同士なので臨時集団下校は当然、同じ班。んで真由美と楽しそうに話してるこの女子は2組の、え〜っと、誰だっけ? 加藤さん? だっけ?
俺んちと学校の間くらいなんで徒歩通学だけど俺達3人で1つの班になったんだよね。中学は一緒だったハズなんだけどアンマ覚えてない。なに話そう。ネタがないんですけど。
「そう言えば加藤さん、彼氏のケガはどう? 前歯折ったって言ってなかった?」
「え? やだそんな事ないんですけどー」
「加藤さんも怪我… したって…」
「ないない見ての通りピンピンしてるんですけど。他の子と勘違いしてない? それより聞いたわよ? あんた達付き合ってるんだって?」
「なっ、ないないないない! 私と山田くんは全然関係ないんだから!」
ああ…、またコレね、『関係ない』。これはもう口癖になっちゃってるのかな。俺のせいなんだから我慢するしかないのか。
「証拠もあるんですけど? この写真」
「「うぐっ」」
「ちょっとショックかなー。今彼と付き合う前の話だから時効だけどさー、中学の時、2人、ケンカしたでしょ? わたし山田くんちょっといいかなーって思ってたから2年のとき机にチョコ入れたんだよねー。でも山田くんガン無視だったじゃない。やっぱそういう事だったの?」
「そうじゃないけど… ゴメン」
「いいっていいって、スッキリしたから。私んちこの団地だから、ここまてでいいよ。それじゃ2人ともお幸せに〜 また明日ね〜」
「またね〜」
「また明日〜」
「でさ真由美」
今のビクンっての何?
「なんか心当たりない?」
「な… 何の?」
「チョコ」
いやだからなんでビクンってなるの?
「しっ…知らないけど…」
「捨てたりとか」
「あっ、アレじゃない? 机、間違えたとかっ!」
うんまあその可能性もあるよね。逆に情報源聞かれても困るけど。「ソースは夢」なんて言えないもんな。
「それよりケンちゃん、合宿どうするの?」
「え? そりゃ行くけど。真由美は行きたくないの?」
「そうじゃないけど、あんな事があったのにお泊りなんて、お父さんとお母さんの許可が出ると思う?」
「一緒に来てもらうとか?」
「ウチお金ないからリゾートホテルなんて無理だと思う」
「じゃあさ、ウチでも聞いてみるよ。ウチの親が一緒ならおじさんおばさんも安心だろ?」
「結果わかったら教えてね。じゃあまたねー」
「また明日ー」
親同伴とかカッコ悪いけど背に腹は変えられない。真由美が来ないよりはマシだよな!




