12時だよ! 漫画研究会 全員集合! 2
「新人挨拶も終わった所で質問ターイム! お互いの理解を深めるために遠慮なくドシドシ質問してね」
「えっ! 何で?」
優介が絶句するのも無理はない。学園の風紀を乱す我が漫研を敵視し、隙あらば取り潰そうと画策して来た急先鋒こそ清水さんだからね。
でも、彼女の想い人が賢人だって知ってたらどうだろう。大好きな彼の正面は学園一の美少女の指定席。傍らでは社長令嬢が三段重の御馳走で餌付け。自分は遠くで指を咥えて眺めるだけ。潰してしまいたいと思うのも当然だよね。
「べっ、別に私は入りたくなかったんだけど…」
出来る事なら彼の側にいたいってのが本音さ。
「あなた達の不適切な活動を内側から監視するためですからねっ!」
「校長室で何かあったんだね?」
「流石に出は鋭いわね。それは私から説明します。部長として!」
おやおや、それは清水さんのパクリじゃない?
ーーーーーーー(一時間前)ーーーーーーー
「提案があります!」
「合田くんですか。今回の件、御両親には大変お世話になっております。お礼を言っていたとお伝え下さい」
「申し訳ありませんっ!」
「おや?」
「我が漫研の部員がこのような不純異性交遊に走るとは。この部長、合田さくらの不徳と致す所。非常に申し訳なく存じます。しかし、しかし! もし宜しければ、今一度チャンスを頂けないでしょうか?」
「チャンス、ですと?」
「はい。この件については私の預かりとさせて頂きたいのです。清水真由美を我が漫研に入部させ、再教育を任せて頂ければ必ずや、必ずや両名を真人間に再教育して御覧に入れます。是非御一考を!」
そう言って、私さくらは深々と頭を垂れた。
「何を言っとるんだ! 不純異性交遊をしでかした2人を同じ部に入れるなど…」
「まあまあ主任」
「校長?」
「それは… つまりアレですか? 今後おふたりが何かしでかしたら全ての責任はさくら君、あなたと、引いては合田家が取る。そうなりますが」
「はい!責任を取るのは責任者の務め。責任を取らぬ者に高き椅子に座る資格などない!ノーブレスオブリージュ!それが我が合田の家訓!」
「それでは宜しくお願いしますよ」
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「ってワケ」
「ソレあの校長に言っちゃうかぁ」
「見事に責任押し付けられちゃったね〜」
優介と飯田さんは感心しきり。
だけど僕には先生方の呆れた顔が目に浮かぶよ。『学園一の問題児が、学園一の才媛を教育… だと?』ってね。
ふーん。血相変えて飛び出したかと思えばそういう事ね。賢人を救出し2人を結び付け、自分はキューピッドに徹し身を引こうとは。
清水さんと飯田さんが賢人に愛される事を望んでいるとすれば、君は賢人の幸せだけを望んでるんだ。3人の中で一番彼を愛しているのは本当は君かも知れない。
社長令嬢の立場をかさに着た自分勝手なワガママ娘。みんなからそう思われている君だけど、その愛は誰よりも深く、その心は誰よりも儚く脆い。出来る事なら僕が君の支えに…
「出アンタなに生暖かい目で見てんのよ? 誰か次の質問は?」
「私からもチョット」
「ハイ清水さん」
「この部は漫画研究会なのに、なんで漫画の話をしないでSFの話ばっかりしてるの?」
ソコかーーっ!




