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幼馴染のツンツンな委員長が、異世界では俺にデレデレなんです  作者: 松林ゆきひろ
俺と真由美の俺的に残念ではない学園生活
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12時だよ! 漫画研究会 全員集合! 1

「ねーねー、本当はしたんだよね?」

「どうだった?」

「いつから付き合ってるの?」

「キスだけじゃないんでしょ?」

「どこまでいったの?」


 みんなお待ちかねの昼休み。いつもならある者は学食に走り、ある者は焼きそばパンやコロッケパンを奪い合うため売店に突撃、教室は半分あいてしまうんだけど。今日に限って組の男女は噂の2人に突進、黒山の人だかりだ。


 僕は来生きすぎ いずる、16才、高1。3か月前に出来たばかりの漫画研究会に所属する平凡な男子高校生。


「だから先生が言った通りあの写真は誰かのイタズラだって!」

 彼は山田やまだ 賢人けんと。僕の永遠のライバル。高校生活における僕の目標は言わずと知れた事、コイツに1勝を挙げる事。並大抵の事ではないがそれは重々承知の上。決して譲れない物が男にはあるんだ。


「だから、山田君とは本当に関係ないんだって…」

 向こうで包囲されてるポニーテールの彼女はこのクラスの委員長、清水しみず 真由美まゆみ、通称しーさん、山田賢人狙い。

 もっとも賢人は気付いていない。鈍いにも程がある。口癖は『関係ない』。ここぞという時に真顔でコレを食らうとダメージは計り知れない。忘れもしない中学時代、生徒会の最終日…


『2人だけで打ち上げしない?』

『え?生徒会が終わったら来生君と私、関係ないよね?』


 関係ないよね… 関係ないよね… 関係ないよね…


 生徒会役員として各種の学校行事を共に成功に導き、髪型規制の緩和を一緒に企画実現させ、切っても切れない絆が出来たと思っていたのは僕だけで… いや、それは今は言うまい。


(みんな)はしゃぎ過ぎよねー。山田くんと清水(しー)さん(なんに)もないのに」

 肩まであるストレートの、少し不満げな彼女は学園一の美少女と名高い飯田いいだ 真由美まゆみ、通称いーさん、山田賢人狙い。

 賢人は『みんなの話を聞きながらニコニコしてるだけ』と評するが、真相は賢人を見てニコニコしている飯田(いー)さんの周りでみんなが話しているだけ。賢人の鈍さと来たら天井知らずだ。


「ほらほら山田、早く机寄せて! 清水(しー)さんもこっちー」

 三段重の風呂敷包みを持って声を張り上げた、灰色がかったソバージュヘアーにグリグリ眼鏡のソバカス娘。彼女は僕の幼馴染にして許婚者(いいなずけ)、合田酒造社長令嬢 合田(ごうだ) さくら、通称部長(ぶちょう)、山田賢人狙い。

 身勝手な行動と校則違反のオンパレード、賢人の事は呼び捨て。しかしその多くが賢人への秘めた愛情の裏返しという事は幼馴染の僕には丸わかりだ。


 そもそも漫研の旗揚げ自体が賢人の(そば)にいるため、というフシがある。もちろん賢人は気付いていない。ここはさくらの言葉を借りよう。

『山田は鈍さ999だから』


 考えてみれば彼女は幼い頃からいつもキョロキョロ落ち着きなくアチコチ走り回っていた。僕はそんな彼女が嫌だった。両親に言われて嫌々一緒にいたんだ。

 その彼女の目が一点に止まったのは中学校の入学式での事。その時、僕は初めて思ったんだ。僕もこんな目で見られたいってね。


「先生はフェイクって言ってたけど絶対本物だよ。一緒に問い詰めようぜ」

 このグリグリ眼鏡に7・3分けの彼はたに 優介ゆうすけ、通称 優介(ユースケ)飯田(いー)さん狙い。重度のSFオタクで飯田(いー)さんと全く話が合わず、さくらとSF談義をするのが日課という悲劇の男。飯田(いー)さんと付き合いたければもう少しファッションとかにも気を使っ…


「ハイみんな揃ったわね。エヘン! 部長として、本日はみなさんに新入部員を紹介します! 清水真由美さん! みんな仲良くしてあげてね♡」

「よ… よろしくお願いします…」


「「ええーーーーーっ!」」

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