3年ぶりに2人で登校 3
「ちょっと待てよ。真由美だって俺の誕生日なんか」
「5月6日」
「ぉぅ…」
真由美は人差し指を立ててフリフリしながら得意気に言う。
「ゴールデンウィークで5、6。はい次ー、私の誕生日は?」
俺の誕生日は覚えやすいんだから一緒にすんなよ。えと? ちょっと待てよ? 小6までは毎年家族ぐるみで誕生パーティーしてたよね。お互いの家に行ってプレゼント渡して、ケーキのロウソク吹き消してごちそう食べて。
でも俺は母さんに言われてついてっただけで正確な日付は覚えてないんだよな。確かあれは夏休み中だったハズ。つまり7月末の10日間か、8月の31日間の2択。日数的には圧倒的に8月の可能性が高い。
待て。これは真由美の罠だ。確率的には8月というのがブービートラップ、実は7月が正解に違いない。そう言えば『何月の何日でしょう』じゃなくて『何日でしょう』って言ったな。今は7月に入ったばかり。無意識に『何月の』を省いたって事は次の直近の日、つまり7月の夏休みだ! 何日かは様子を見ながらカマをかけてやれ。
「え〜っと… 7月の…」
「む〜っ」
あっ、少しふくれた。8月だったんかい。
「と思わせて8月の…」
「何日?」
トホホ、降参。31分の1ノーヒントは分が悪すぎる。
「明日まで待って」
「どうせお母さんに聞くんでしょー?」
真由美はプイと前を向いて自転車を漕ぎ始めた。
「待てよ〜 誕生祝い奮発するから!」
「じゃあ、許したげる。3年分まとめたゴージャスなプレゼントかー、楽しみー」
「いや? 真由美だってこの3年くれてないよね?」
「私は毎年用意してたもーん。ケンちゃんが欲しい物を一所懸命考えて。ケンちゃんが謝らなかったから渡せなかっただけ。全部だいじに取ってあるんだから」
「待てってばー」
とほほ… キャラクター筆箱とか『月刊モー』のオカルト通販グッズとかだろ? 大事に取ってあってもなー。
あ、いやしかしコレはチャンス! 7月8月の小遣いに清水のおじさんのバイト代に… あと美奈に借りれば1万は余裕で超える! 最高のプレゼントを用意して更に好感度アップだ!




