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幼馴染のツンツンな委員長が、異世界では俺にデレデレなんです  作者: 松林ゆきひろ
【現実との闘い】
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愚かなる魂の死

 暗い、暗い、広大な神殿で私は待っていた。部屋のそこかしこ、床や壁面や天井では無数の光点が星空や天の河のように光り輝き、時折ところどころに雷のような閃光が走る。


 これら全てが凄まじい計算力を秘めた光コンピューターであり、漏れ出ずる光はその計算に伴う余剰エネルギーだ。膨大な計算のもと、足下にある母星ガイアが生み出す際限ないエネルギーの全てかこの天空に(そび)える塔へ送り込まれる。


 その目的こそ天井のあの巨大な穴。死者達の住まう世界への門、地獄の大穴(タルタロス)。死者の国に繋がる大穴。娘があの穴に入って何日が経ったか。


「ぁぁぁぁぁぁぁ」


 かすかな悲鳴をあげ、天井の大穴から生首が1つ落ちて来た。続いて無言で2つ、合計3つ、床に叩き付けられ何度かバウンドして思い思いの場所に転がる。


 これらの生首は死者の国から落ちて来た亡者の魂。シワだらけの白髪となった生首の顎から下には無数の引っ掻き傷。無残な姿だ。地獄の大穴(タルタロス)に住まう巨神(ティターン)達は良い仕事をした。


 地獄の大穴(タルタロス)の中で時間は意味をなさない。神が定めれば1秒が1億年にもなり得る。彼らは体感では4千3百万年に渡り落ち続け、巨神(ティターン)達にジワジワと切り裂かれ、毟られ、貪り食われ、恐怖に狂いながらここまで落ちて来た。それが私の定めた罰だったから。


 後から来た2つは瞳に生気がなく声も出さない。まだ意識があるのかと見やると、顔面に大きなヒビが入り頭蓋骨が半分近くポロリと取れた。みるみるうちにくだけて破片の山となる。しまいにはホコリとなるまで砕け、あっという間に散り消えてしまった。


「ぁぁぁぁぁぁぁ」


 残った1つは涙を流しながら、かすかに声をあげ続けている。この者は決して滅ぼさず意識を保ったまま私の足下に届けるように。その命令も確かに果たされた。


 さて。足が汚れるのは嫌だが、やはり最初に決めた通りに、こうするのが筋という物だろう。私は玉座から立ち上がり、生首に片足を乗せて力を込めた。


「ぁぁぁぁぁぁぁ… あ!」


 生首は最後に一声あげると、最初の2つの後を追った。呆気ないものだ。もう少し何かの感慨でもあろうかと思ったが。まあいい。コイツらが落ちて来たのは娘が計画通りキチンと仕事をこなしている証拠。


 もうすぐ(いと)おしい彼女が黄泉(よみ)帰る。あの頃の、若く美しく清らかなままの姿で。この私、天空神(ウーラノス)(もと)へ!

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