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幼馴染のツンツンな委員長が、異世界では俺にデレデレなんです  作者: 松林ゆきひろ
【現実との闘い】
40/864

襲撃

2021.5.9

第35部分『俺と真由美と部活メンバーの残念な昼休み』に唐揚げシーン追記しました。

すみませんがソッチを読み直してから読み進んで下さい。

「待ってよ清水(しー)さん」

 何とか自転車に乗る前に追い付いたよ。

「今日は一緒に帰ろう。話したい事もあるし」

「どうせさくらに言われて来たんでしょ?」

 真由美は目も合わせない。まあ正解だけどさ。


「クラスメートなんだからもう少し仲良く出来ないかな? いきなり入部とか無理として、とりあえず昼一緒に食べてみたり…」

 北風と太陽。北風と太陽。

「男の子は、好きな人としたいんでしょ?」

 ちょっと待てーーーー! 学校ですよココ!

「一緒にお弁当食べたり『ハイあーん』して貰ったり、2人で分け合いっこしたり『間接キス』とか言ってみたり」

「あ…ああ」

 ソレ? うん! したいです! したいからこうして誘ってるんだよ。

「良かったわね。じゃあ」

 真由美は自転車を押して先に帰ろうとする。だからちょっと待てって。その繋がりがわからないんですけど?


「そこで何で良かったになるんだよ?」

「だって山田君、飯田(いー)さんとお弁当食べてたでしょ」

「同じ部だからね」

「『はいアーン』ってして」

「あれは飯田(いー)さんが勝手に」

飯田(いー)さんが半分食べたのを山田君が半分食べて」

「は?いや?してないしてないしてないしてない!」

「してた!それで飯田(いー)さんはお箸舐めて間接キスしてた!」

「いや誤解だって! 飯田(いー)さん悪い癖が出て来生に注意されただけで!」

飯田(いー)さんが好きなんでしょ!お幸せに!」

「ちょっと誤解だから!落ち着いて話しながら帰ろ? ホラ、朝テニス部の先輩と一緒にいただろ? あの人、色々悪い噂があってさ。心配だし!」

「私が誰と登校して誰と下校しても山田君に関係ないでしょ!」


 またかよ。またそれかよ!

「ああ。ああ、ああ、ああ、ああ! どうせ俺には関係ないですよ! 誰とでも好きに帰れば? 俺は先に帰るから!」


 それで俺は自転車に飛び乗って裏門から飛び出したんだ。後で思えば後席の窓にスモークのかかった怪しい黒のミニバンが路駐してて。運転席には目付きの悪い下卑たオッサンが座ってたんだけど。

 その時の俺にはとてもそんな事を気にしてる余裕はなくて。ただ喉が痛くてもう何も喋れなかった。目に溢れた涙を真由美に見られたくなかった。ただそれだけだったんだ。



 ケンちゃん怒って行っちゃった。何でいつもこうなるんだろう。いつもいつも最後はこう。ついアレを言っちゃう。自分が言われて嫌だったんだからケンちゃんだって嫌だよね。ゴメンね。

 ケンちゃんテニス部の例の人のことカン違いしてた。少しは妬いてくれたかな?

 飯田(いー)さんの事は知らなかったんだね。私は見てたけど。飯田(いー)さん唐揚げ半分食べて、ヒョイヒョイって2個取って食べかけの1個目を隠してた。谷君がヨソ見してる時に、ケンちゃんから見えないように切り口を自分の方に向けて食べかけのを差し出して。

 来生君からは多分見えてた。波風を立てるのが嫌いな来生君の性格なら騒がずに揉み消すと踏んでワザと見せた?

 さくらの方は正体がわかったから何とでもなる。危険なのは飯田(いー)さんの方?


 いろんな考え事をしながら裏門を出たら突然大きくて黒い車が目の前に飛び出して来た。後席のスライドドアが開く。

「声を出すな。騒いだらこいつを刺す」

 え? 飯田(いー)さん? 一瞬どうしようか迷った隙に私は後席のもう1人に腕をつかまれて引き摺りこまれた。スライドドアが重い音を立てて閉まる。運転席から汚い声。

「オイ早く縛れ」


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