水着っていいよね?特に旧スク水(なお異世界にはない模様)
「キャー!これカワイー!」
「こっちも素敵ー!」
今日は水着選び。ショッピングと言えば女性陣4人が中心。男子は悲しいかな帰りの荷物持ちと決まっている。真由美は最初こそ俺を取られないか警戒してたけど、こっちに女友達が1人もいないのは寂しかったようで、今では打ち解けてすっかり馴染んでる。
こんな田舎の村に高価な女物が売られているのはおかしい。来る前にこっそり聞くと流石は大賢者、何でも知ってらっしゃる。
「村に肉や革製品を買い付けに来る商人は、まとまった金を手にしています。その金が余る事もありますよね? そこで3人娘がねだって買ってもらい、最大限搾り取って残さず村に落としてもらうシステムですよ。そのために高価な女物が揃えてあるのです」
うん、怖い。
そもそも都市の議員一族や各種ギルドのトップを務める大商人、聖職者は手形を持っていて、それを見せれば互いの屋敷や神殿に宿泊できるという。
「宿泊費と食事代なぞわずかなもの、それで出来たコネのリターンは何千倍、何万倍にもなりますからね」
うん、汚い。
だから日本にあるようなホテルは必要ないという。
「宿泊所を使うのはド底辺ですよ。だから飯と酒と女を提供するフケツな宿が普通なのです。きらびやかな都市でも同じ事ですよ」
「うん? ちょっと待って? んじゃそこに連泊している俺達は?」
「もちろんド底辺です、ばーっはっはっは!」
ぐわーーーーーっ!どうりで『子猫亭』以外の人が汚い物を見る目で俺を見てると思った! よそ者だとか異国人だとかで排斥されてるんじゃなかったのね!
でも1か月一緒に暮らしてみると、3人娘も親父さんも本当にいい人達なんだよ。この村でずーーーっと暮らしたい、そう思う時だって何度もあるくらいなんだ。そんな目で見る事もないと思うんだけどな。
「何ボーっとしてるの?これ見て―!」
おおっリラが試着室のカーテンを開いたっ! うん? 菫色のワンピース水着ですか? なんか普通?
「へへー…くるり!」
うおっ、背中からお尻スレスレまでガッパリ開いて透き通るような白い肌が! 童貞を殺す水着ですか? これは高得点!
「つ… 次は… 私のを見てください…」
おおっ、南方系の良く焼けた肌に明るい黄色のビキニ!小柄なカティーにピッタリの可愛いフリフリ付き!
「次はこのローザさんだね。ホラッ!」
うん!ウエーブのかかったロングの赤毛にナイスバディーのローザにはやっぱり赤ビキニ!
「ケン坊、ローズヒップが好きって言ってたよね~ うりゃっ!」
ローズヒップは薔薇のお尻じゃない!ちょっと!降ろしちゃ駄目!あっ、下まで赤いんだ!
「ふーり ふーり」
はっ… 鼻血が…
「待ちなさーい!それなら私はこうよっ!」
ぐはあっ!
し…白い双丘に… 小さなサクランボにっ! 淡い… 淡い茂みっ!
駄目だっ!鼻血がっ!出血多量で死ぬっ! 何やってんの証!弾幕薄いよ!何か防御とかあるでしょ!
「ちょっとマユミずるーい!」
「は… 反則だと思います…」
「それは水着とは言えないでしょっ!失格よ失格!」
はあ、はあ、はあ。死ぬかと思った。
結局、真由美が選んだのは一番高価な白いハイレグ水着でした。
「なー、俺の水着、もう見ていいだろ?」
4人分の荷物を抱えてヨタヨタと山道を登りながら、俺は提案してみた。しかし何べん聞いても真由美の答えは
「駄目よ!着いてから開けて喜ぶ顔が見たいんだもん!」
美女4人は『買い物に付き合ってくれたお礼よっ!』と言って俺の分の水着をプレゼントしてくれた。日本では有り得なかったイベントで、それはそれで嬉しいんだけど。
「ケン坊のために物凄く厳選したからな!乞うご期待!」
そんな事を言いながら4人とも、目元を薄赤く上気させ、俺のズボン… もっと具体的に言うと股間を期待に満ちた目でチラ見している。怪しいっ!怪し過ぎるっ!
「試着もせずに買ってさー、サイズが合ってなかったらどうすんだよ」
「リラ、店員さんに聞いてみたけど大丈夫だって!」
リラが笑いながら答える。口元を押さえてプフーーーッていうのを『笑う』と言っていいのならば、なんだが。
「ぷっ… あ、すみません…フリーサイズだって言ってました…」
カティ―おまえ今、プッとフを無理やり繋いだな。
「すっっっっごく良く伸びる特殊な布だってさ! 安心しな!」
不安しか感じない!
「もう少し上にキレイな水場があるから!行こうぜ!ケン坊!」
「「「「レッツラ、ゴー!」」」」
「ゴー↓」
気配を消す能力もないノロマな脳足りんがドタドタと縄張りを踏み荒らす。痩せギスのオス1匹にメス4匹。何がいいのやらメス共は発情しているようだ。噛むと血と脂がジュワッと溢れて一番旨い食べ頃のメス。特に子供たちには狩りの練習を兼ねて、こういう弱くて栄養たっぷりの生きた獲物が必要だ。
だが問題はオスが首から下げているアレ。アレは危ない。避けた方が無難。しかし最近、奴らが縄張りを荒らしたせいで獲物が他所に逃げ、群れ全体が飢えている。獲物を追って縄張りを捨てるか? 何でこんな奴らに縄張りを追い出されなければならないのか。ここは我々の縄張りなのだ!
いや、駄目だ。先日送った斥候は瞬殺されたではないか。危険と利益を考えれば、群れが全滅する危険は取れない。放っておけばあのメス共はこいつの仔を何匹も生むだろう。増えて守りが薄くなった頃に戻って頂くのも悪くない。ここは他所に移るも止むなしか…
「それじゃ困るのよね」
いつの間に後ろにっ!何者だっ!しまった!この光は!
「この山は貴方の縄張り。あいつは敵。縄張りを奪いに来た敵よ」
敵か… 敵なら、殺さなければ!




