ドキドキワクテカの勉強会 4
「真由美?」
真由美は声をかけてもピクリとも動かない。ニッコリ笑った顔の前で掌をひらひらさせても…同じ。
「本当に止まってるんだ」
これは凄い。真由美が誘拐されそうになった日、この手に神殺しの手甲が出現したような気はしてたんだ。でも、あれ以来そんな事は1度もなくて。あれは命の危機にさらされて記憶が混乱したか、幻覚でも見たんだろうと納得していた。
でも今また危機に直面する事で…俺の真の能力的なアレが発動したのか!天は何の為に俺にこの力を与えた!どうする俺!
①真由美のおっぱいを揉む
②真由美を裸にして鑑賞する
③真由美の股間に指を入れる
いやっ、駄目だろソレ。それはやりたい。確かにやりたい。だがそれでは痴漢じゃないか。欲望に負けて痴漢になっていいのか?
でも待てよ。普通なら突然おっぱいを揉まれたら「キャーッ!」と叫び声が上がり、清水のおじさんとおばさんが飛び込んで来て俺は痴漢として警察に突き出される。だが今その3人とも時間が停止してるんだぜ。証拠も何も残らない。証拠がなければ無罪。つまり犯罪にはならない!ならやらなきゃ損だ!
いや…やっぱり駄目だ。捕まろうが捕まるまいが犯罪は犯罪。山田賢人、お前は正義の勇者だろ?正義の力を好きな子のおっぱいを揉むために使っていいのか?
だがっ…考えてみろ。俺が真由美に手も触れられずにいる間に真由美は変質者共の餌食になる寸前だったんだぞ。それはお前に勇気がなかったからだ。勇者なら、その勇気を奮って今!真由美のおっぱいを揉んで俺の物にするべきではないのか!真由美もそれを望んでいるハズっ!
「くうっ!」
いつの間にか真由美の後ろに回り込んで両脇から手を回し、真由美のおっぱいを揉む寸前だった俺は、すんでの所で踏みとどまった。
断腸の思いだが、真由美と正式に彼氏彼女になれば真由美のおっぱいは自動的に俺の物。それまで待て。部屋にあげてもらっただけでイキナリおっぱいを揉むのはだめだ!
いやしかし…
黙れ俺の欲望っ!だいたい発動したばかりの能力を検証もせず使ったらハマるだろ!まずは検証だ!
思い直した俺は部屋を歩き回って何か検証の材料がないか探す事にした。真由美の机に漢字ノートがある。これを使おう。
まずノートの表紙をめくってみる。めくれた。1ページ目には6月中盤の日付と、四文字熟語がビッシリと書き込んであった。
六根清浄六根清浄六根清浄六根清浄六根清浄
六根清浄六根清浄六根清浄六根清浄六根清浄
六根清浄六根清浄六根清浄六根清浄六根清浄
写経かな?ノートには煩悩を退ける降魔の呪文のような何かがビッシリと書いてある。だが、生徒会役員や委員長を歴任する真面目の塊のような真由美にそんな物あるハズがない。単なる漢字の練習だ。見なかった事にしよう。
気を散らさずに能力検証を続けなければ。完全に時間が停止してたらページをめくる事自体不可能なはず。つまり俺が触れた物は時間停止が解除されて動かせるようになるのか?俺はもう一度ページをめくってみた。
色即是空空即是色色即是空空即是色色即是空
空即是色色即是空空即是色色即是空空即是色
色即是空空即是色色即是空空即是色色即是空
このページもなんか一心不乱に書き込んである…いや、漢字の書き取りってのは同じ事を一心不乱に書くもんだ。別に変な事はない。能力の検証を続けよう。
このノートを持ち上げて、空中でパッと手を離す。浮いた!俺が手を話すとノートはその形のまま空中で止まってしまった。つまり俺が触っていないと時間停止するようだ。試しにノートの端をつまんでみよう。
ストン
やっぱりね。端っこをつまんだとたん、ノートは普通にストンと落ちた。その拍子に真ん中くらいのページが自然と開く。どうやらそのページは一度クシャクシャになったのを伸ばしていて開き癖が付いているようだ。
ノートを閉じようとして、ふと目に入ったそのページは一番変な事が書き付けてあった。
煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散
煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散煩悩退散
スケベスケべスケべスケベスケべスケべスケ
ベスケべスケべ〜〜〜〜〜〜〜・
日付は6月末のあの日。『スーパー銭湯かきつばた』で真由美と偶然バッタリ出くわした日だな。確かあの日はこの部屋で勉強する真由美を、俺の部屋のベッドの上からベランダ越しに鑑賞していて…美奈が飛び込んで来て俺の顔に胸を押し当てて…ああ!真由美のシャーペンが折れたんだった。これはその跡か。随分怒ってたんだな。美奈とは過剰なスキンシップを控えた方が無難なようだ。
さて、ここまでの検証でこの能力の概要はつかめた。俺の触れた物の時間停止は解除される。って事は、もしさっき欲望の赴くまま真由美のおっぱいを揉んでいたら。
①真由美のおっばいを鷲掴みにして揉み倒す
②真由美の時間停止が解ける
③「キャー!エッチスケベヘンターイ出て行ってー!」
④出入り禁止(略して出禁)
いやっべー。何この能力マジ使えねー。いや?じゃあ何に使えばいいのコレ。せいぜい部屋の中を見て回るだけじゃない?たとえばそう…この洋服タンス。
この上から3段目。恐らくパンティーが大量に入っているであろう引き出しを開けて、そのかぐわしい香りを嗅ぎ、おもむろに頭に被ってみる。これなら大丈夫なハズだ。いや、もうソレしか使いようがないだろコレ!




