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幼馴染のツンツンな委員長が、異世界では俺にデレデレなんです  作者: 松林ゆきひろ
イベント後半戦、はっじまーるよー!
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決着!真夏の夜の死闘

 俺の一撃で浜を覆い尽くしていた強大な神気は、すうっと消えていった。今思えばあの魅了(チャーム)も、この水のモンスターの力ではなく、あの迎えに出た女神の力だったに違いない。

 光の消えた水のクラーケン… いや、水の女神像は星空の下で今なおその美しさを保ってはいるが、さっきまでの魂を抜かれるような神秘性は最早感じさせない。

 浮遊していたピンクの玉も力を失いつつあるのか、ゆっくりと降下し… いや、降下しながらその光を徐々に増してゆく。


「気を付けて下さい勇者ケント!あれは『復活の玉』!滅びし者をHP1で復活させる秘宝です!」

「マジかよまだ来るんか!」

 今度は水の女神像全体が濃いコーラルピンクに染まる。再び動き始めたヤツは、その長く太い触腕を砂浜スレスレで横に()ぎ払いに来た!全体攻撃!マズい!HP1でもダメージ判定はHP満タンの時と同じ!


「ケンちゃんを、いじめるなーーーっ!」

 どこかで可愛らしい女の子の叫び声。あの声はリラ?

 そう、壊れた小舟に走って逃げたと思ったリラは、しかし小舟のオールを両腕でつかんで振りかざし、砂浜をカスリながら飛んで来るピンクに光る触腕に目がけて突っ走っていた。そしてリラがそのオールを振り降ろした時、触腕は水風船のようにハジけた。それはバシャバシャバシャと水の女神像全体に広がり、ついにヤツは水中に崩れ落ち、その姿を消した!


 だが、崩れた触腕の水は砂浜を横に走る波になってリラを俺の方に吹き飛ばした。駄目だ、このままだと引き波に飲まれて沖に(さら)われる!

 俺は砂浜を踏みしめてダッシュした。命懸けで俺を助けてくれた少女に向けて。そして抱き止めた。左手でリラの足を、右手でコンパクトだがいい感じに弾力があるオッパイを!わざとじゃないんだ、たまたま偶然不可抗力だ!


 そして波が引いた時、俺はリラをお姫様抱っこで抱きしめて砂浜に立っていた。すぐそこの海底のそこかしこに赤い光がポゥッ、ポゥッと灯っている。しかし攻撃の来る気配はない。全て終わったんだ。

「リラ、大丈夫かい?」

「ケンちゃん… わたし頑張ったよ。奴隷だってオールなら装備できるから…」

「ああ、有難う。おかげで助かったよ」


 と、その時。二人の目の前に、(チェーン)の付いた金色の鍵が空から… リラの胸にゆっくりと舞い降りた。

「ケンちゃん、コレ…」

 俺はリラの足をそっと地面に降ろし、足を支えていた左腕を外して、胸の谷間から滑り落ちた鍵をすかさずキャッチした。

「ドロップアイテムだな。リラが倒したんだからリラのだよ」

 そう言って俺はリラの首に、手に入れたネックレスをかけた。星空と流星雨の下、リラはたとえようもなく美しかった。もちろん、俺には真由美がいるんだけど…


ズザー。


 ってな風にイイ感じな俺達2人の前に、着ぐるみを着たポンコツ真由美達4人が波に乗って上陸した。

「トパーズは回収して来たよ」

「ありがとう匂いフェチ真由美」

「クラーケンはエコーロケーションにも引っかからない深さまで去りました。海底で光ってるのは赤珊瑚(さんご)です。復活の玉の作用で石灰岩が元の珊瑚に戻ったようですね」眼鏡クイッ

「さすがだ委員長真由美」

「あ〜 リラにエッチな事してる〜」

「違うんだエロ真由美!」

“もー、本物の彼女が流されてるのに無視なわけー?”

「ゴメン!ポンコツ真由美!みんな特効付いてるから大丈夫かなって。ってか水の精霊なんだから溺れないだろ」

“気分の問題よー。まず私にエッチしなさいよねー。チャックチャック… あーん届かないー誰かあけてー”

「脱がんでいい!ってかチャックあるんかソレ?」

「今回の殊勲賞(MVP)はリラですからね。大目に見ましょう」眼鏡クイッ

 そう言えばもう一人のMVP、アレキはどうしてるかな?あ、目ぇ擦ってる。眠そう… 寝直した。明日話すか。


「よーし!海の女神撃破!謎の鍵ゲットだぜ!」

「やったー!」

「大勝利!」眼鏡クイッ

「えいえいお〜!」

“ばんざーい!チャック、チャック…”





【大賢者エリクトニウスのギリシャまめ知識】

エリクト「珊瑚をコーラルと呼ぶのは古代ギリシャで『小さな宝石』を意味するκοραλλιον(コラッリオン)が語源なのです」


ゆきひろ「zzzzzzzzz」


エリクト「地中海赤珊瑚はペガサスに乗った英雄ペルセウスが持つメデューサの首からしたたった血が海藻にかかって出来たと神話は語ります」


ゆきひろ「むにゃむにゃ珊瑚は俺の嫁」

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