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幼馴染のツンツンな委員長が、異世界では俺にデレデレなんです  作者: 松林ゆきひろ
イベント後半戦、はっじまーるよー!
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海の王 2

 突然、目の前に薄紫で半透明のマネキンが現れた。マネキンは玄関に入ると正面を向いたまま靴を脱ぎ、しゃがんで靴を揃える。青い丸が出てピンポーンという音。

 もう一回、薄紫のマネキンが目の前に出現し、今度はは玄関でクルリと外側を向き、靴を外向きに揃えて脱ぐ。すると赤い☓が出現し、どこからかブッブーと音がした。


 つまりコレはVR教育システム。こんな機能もあるのか。ゲームをしながらお作法も勉強出来るとは何て便利! 誰もそんな機能求めてないけどな。

 なるほど自宅ならともかく、お屋敷に呼ばれていきなり主人のいる奥に向かってケツを向けるのも失礼なのだろう。俺が○の方の通りに脱いで上がると、どこからか『ピンポーン』と正解の音が鳴った。それは俺にしか聞こえてないようで、さっきの女の人は何事もなかった風にサンダルを手際よく靴箱に片付けた。


 案内されるまま奥に進むと、広大な庭を囲んでコの字に曲がる長い縁側(えんがわ)に出た。ゴツゴツしたいくつもの庭石にはテーブル珊瑚(さんご)や赤珊瑚が生え、デカいイソギンチャクが伸ばす触手の間をカクレクマノミが泳ぐ。触手を避けて泳ぐ見事な大きさの鯛に岩をはい回る伊勢海老。俺の足音に驚いて砂を巻き上げ泳ぐ平目(ヒラメ)平目(ヒラメ)に驚き首を砂に引っ込めるチンアナゴ。

 庭の植え込みは杉や松じゃなくて昆布に海松(ミル)

 鯛や平目の舞い踊りとは、つまり竜宮城だな。不思議なのは魚が空中を泳いでいる事。魚にとっては水は実在するのか。


 案内の女が俺の心を読んだかのように説明する。

「ここは(イデアル)(プレーン)ですのよ。水はあると思えばある、ないと思えばないの」

 ホンマかー? 本当は海の底だから水があると思っただけで

「ガボッ! ガボガボッ!」

 ヤバい!水はない!空気ある!空気カモーン!

「ハー、ハー、ハー」

 マジだったよ死ぬかと思った。


「主人はこちらです」

 いつもの事なんだろう。彼女は俺の騒ぎを気にする風もなく、庭の正面の障子(しょうじ)の脇に膝をつく。するとまたVRのマネキン映像が現れた。マネキンが縁側に膝をついて座る。障子が開く。入室し座布団の脇に正座する。両手を畳について頭を下げる。手土産の菓子折りの風呂敷包みを膝の前の畳に置いて前にスッとずらして差し出す。主人に勧められてから、にじって座布団に座る。○、ピンポーン。

 もう1回。今度は立ったまま敷居を踏んで入る。☓ブッブー。畳の(へり)を踏む☓ブッブー。イキナリ座布団に座る☓ブッブー。手土産を座卓にドンと置く☓ブッブー。


 (うるさ)いわ。まだ戦闘(バトル)の真っ最中だぜ。俺は両手で思い切り障子を開くとズタズタ踏み込んで床の間の前に座った偉そうなヒゲもじゃジジイに向かって分厚い座布団を蹴っ飛ばした。

 座布団はジーさんの物理打撃無効の防御壁に当たって手前にあるブ厚い大理石の座卓に落ちると、大変な目にあったとばかりにモゾモゾ動いて逃げて行く。生きとるんか。だが今はそれどころじゃない。


「アルケー村の勇者ケントだ! 邪魔するぜ!」

「海王宮、海王ポセイドンである」


 純和風じゃないか!どこがポセでどこがイドンかキッチリ説明して貰おうか!


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