子猫亭3人娘、念願の大幅レベルアップをする 1
「あの… とりあえず特効デッキの整備をですね…」
「何だよー、ケン坊はアタイらがLvアップしたら嫌なのかい?」
「リラもケンちゃんの役に立ちたーい」
「わ… わたしも…」
「わ…わかりました」
何だか良くわからんが凄い熱気だ。3人は革袋を逆さにして赤と青のトパーズをテーブルにザザーッとブチまけると、大体同じ量になるように山分けにした。アレキによると赤がNPCのレベルアップ玉で、青は必殺技の効力アップ玉だそうだ。
「行っくよー!」
「レベル」
「ア… アーップ…」
宝石の山が透き通った赤と青の光の渦に変わり3人を包み込む。魔法少女の変身シーンみたいだ。
「ローザ 奴隷Lv48!」 シャキーン
「リラ 奴隷Lv39!」 キュピーン
「カ… カティー 奴隷Lv38…」 ぽわわーん
「あーっ、なんでローザだけレベル高いのよー?」
「ず… ずるい…」
「へっへっへー、アタイだけは実地でレベルアップしてるからねー。元がLv1のアンタらとは年季が違うのさ」
「でもでもー、ステータス上がったし必殺技やスキルも増えたよー見てー」
リラは自分の乳首をポチって自慢げにステータスウインドウを見せびらかして来る。相変わらず左乳首タップだし脇腹あたりに開いたウインドウは自分では見えにくい欠陥設計。あとで女神に修正依頼を出しておこう。
すかさず真由美が覗き込んで読み上げた。
「私がチェックするね。HP32、MP32、攻撃力32、守備力32…」
「低くね?」
「あーん期待外れだよー」
リラはガッカリして涙目だけどアレキは予想通りだったようだ。
「まあ所詮は奴隷だから戦闘力はお察しね。でも必殺技やスキルは奴隷ならではの物があるはずよ」
「ホント? 見てー見てー」
しょげてたリラが復活して真由美に見せびらかす。
「えーっと。マッサージ初級、中級、上級、スペシャルコース、オプション… Lv30台だとマッサージ系の技を覚えるみたい」
「1日のバトルの疲れを癒やして貰えるな」
俺がベッドにうつ伏せになってリラとカティーが肩をモミモミ… うん、悪くない。
「よーしリラ頑張っちゃうぞー!」
「ふっふーん。2人ともその程度?」
ローザは首を無理矢理ねじ曲げて自分で必殺技をチェックしてる。
「ローザ様はLv40台だからねー。入浴介助初級、中級、上級、スペシャルコースまで覚えたぜ!」
「ちょっと! ケンちゃんと一緒にお風呂に入るなんてダメよ!」
まー真由美的にはそうだよなー。
「いきなり高齢者介護センターみたいになったな」
「ケン坊が戦闘でダメージ受けたら体を洗ってやれるぜ」
「うーむ看護師とか介助者みたいな技も戦闘後には必要だな」
「へっへー、どうだい? 今日奴隷になった初心者のアレキには何が出来るのかなー?」
勝ち誇って煽るローザに、アレキは胸を張って言い返した。
「英雄は負けない!媚びない!退かない! 私の奴隷Lvは200! カンストよ!」
「おいイキナリ200かよ!」
「ふっふっふ。特殊職業『英雄』は転職不可、デバフ魔法も受け付けない。しかし! 自分の変身魔法を使った場合のみ任意の職業・種族に変身できる! レベルとステータスを全て維持したまま変身した職業の装備・スキル・必殺技を身に着けられるのよ! これこそ神の血族たる英雄の能力!」
「そんなんただのコスプレじゃねーか!」
「形だけじゃないわ。見なさい! この必殺技の数々を!」
ローザはおかんむりだけど真由美とリラとカティーは興味津々でアレキのステータスウインドウを覗き込んだ。
「へー、タップすると3頭身のチビキャラがやって見せてくれるんだ〜 これなら私達にもわかるね」
「せ… 説明は… マユミが… 読んで下さい…」
「Lv50台は、おっ・いシリーズね」
「わ… わたしちっちゃいから… 無理だよぅ…」
「リラなんとか出来そう」
「なっ… 駄目なんだからね!」
「おーい俺にも見せてくれよ」
「ケンちゃんは見ちゃ駄目!」
「何だよケチー」
「こっ! こういうのは女子限定! 男子は見ない!」
「何でだよー」
女子連中は俺に聞こえないようにコソコソ小声でチェックを始めた。リラがチョイチョイと手招きするとローザも覗き込む。4人でガードされると脇から覗いても背伸びをしても全然見えない。
「Lv60台… これローザ出来る?」
「ムリムリムリムリ、うんち出るとこじゃん!」
一体どんな必殺技なんだ?
「な… 70からのコレ… どういう意味?」
「リラ知ってるよ。おしべとめしべがくっついてー」
「かかかかカティーに教えるのは早いでしょ? 子供が知らなくていいから」
「普通は結婚してからやる事よね」
必ず殺す技と書いて必殺技… 結婚して夫を殺しちゃ駄目だろう…
「100からのおし・こシ・ ーズ、アレキ本当に出来るの?」
「でっ、出来るから載ってるんでしょ! たぶんだけど」
「アタイ飲めない」
「110からのうん・・リーズは」
「なっ、ななっなっなっ…」
「120からのぼにゅうシリーズはデキてる前提?」
「わ… わかんない…」
「リラ知ってる。デキないと出せないよ」
「Lv100までヤればとっくにデキてるんじゃねーの?」
なんか更にヒソヒソと小声になって聞き取り辛いな。ぼにゅ? 変な必殺技名だな。Lv100までの必殺技が出来る前提での上位互換技みたいだけど?
「れ… Lv130からのコレ…」
「カティーは見ちゃダメ!」
「リラ、カティーの目ぇ塞げ!」
「こう? あっ、140からの…」
「わーっ、マユミ! リラの目ぇ塞げ!」
「こうね!」
何をやってるんだ。
「まーとにかくさ、1つくらいは見てみたいから1番凄いヤツ1発やって見せてくれよ」
「ケンちゃん駄目ーーーっ!」
「ンな事やらせたら殺す!」
「痛っ! 真由美もローザも叩くなよ! じゃあLv150くらいでいいから」
「駄目!」
「いーワケねーだろ!」
「いだだだだだだだ!」
結局、全然見せて貰えなかった。これじゃあ何がどうなってるんだかサッパリ意味がわからないよ。




