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幼馴染のツンツンな委員長が、異世界では俺にデレデレなんです  作者: 松林ゆきひろ
クラーケン討伐イベント、はっじまーるよー!
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いまさら! クラーケン討伐イベント攻略会議 4

 アレキはさっき会った時の戦闘用装備とは打って変わって奴隷ルックに着替えていた。と言ってもリラ達とは掛かってる金が雲泥の差だ。


 肩幅くらいの布の真ん中の穴に首を通し、布を膝まで前後に垂らし腰紐で縛る。首にはチョーカー。形は同じだが全て中央が真っ赤、両脇の(ふち)取りが少し紫がかった深い青色に染めてある。

 染めにも金がかかってるが問題は(つや)やかに光るキメ細かな布地。麻でも綿でも羊毛でもない。とすると絹? 古代ギリシャに絹とかあったんか?

 胸元とチョーカーの中央には金色のウニというかモーニングスターみたいな丸にトゲトゲのマークが刺繍(ししゅう)してある。全て金を叩いて延ばした金線だ。

 奴隷ルックと言いながら一目で王侯貴族並みに金が掛かってるとわかる。


 俺がマジマジと見ているのに気付いたアレキは聞かれてもないのに誇らしげに語り始めた。

「ああ、これ? 奴隷に転職したら奴隷用装備しか身に着けられないから本国の仕立て屋に普段着を直させたのよ」

「わざわざそんな事のために長距離転移魔法を? つか普段からそんなクソ高そうな服を着てるのか?」

 普段着ってそういうモンじゃないだろう。


「首輪にはちゃんと『勇者ケントの所有物』『返却はアルケー村子猫亭へ』って刺繍させたわ!」

「おお〜、リラ達とおんなじだ〜」

「強力なライバル登場ってワケか、面白れぇ!」

「き… 基本は… 押さえてますね…」

「ちょっとキミ達? そんな刺繍しろなんて言ってないんですけど?」

 それだとアクティーの言う通りの変態主人になってしまう!


「何言ってんのケン坊〜 コレ付けてないと奴隷狩りに(さら)われっちまうだろ?」

「所有者と裁判になるのが嫌だから見逃して貰えるんだよ」

「こ… この方が安全なの…」

「コレ着けてたら主人のお手付きに決まってるからナンパ野郎も寄って来ないし面倒がないのさ」

「お店がサービスで入れてくれるからタダなんだよ」

「し… 刺繍があった方が… 可愛いし…」

 喜んで買ってたから単なるお洒落(オシャレ)アイテムかとばかり思ってたよ。


「ケンちゃん、そこに正座」

「こうですかっ?」

「椅子の上じゃなくて床」

「はひっ!」

 真由美様はお怒りモードだ。ここは逆らわぬが吉!

「で、いつの間に、どんな風にこの()を奴隷にしたの?」

「どんな風にって何か誤解が…」

「怒らないから正直に言って」

「いやもう怒ってるよね?」

「言い訳があったら聞いてあげる」

「みんなが浜に行ってマリン親っさんとアクティーが店に戻った時に勝負を挑まれましてですね。アレキに勝ったら奴隷にするって条件で、わざと負けようとしたら何故か勝ってしまってですね」

「なんでそんな勝負をするのよ!」

「絡まれるのが面倒臭(めんどくさ)かったからワザと嫌われようと…」

「言い訳しない!」

「言い訳しろって言ったのは真由美では?」

「それとコレとは関係ない!」

「いやそんな御無体(ごむたい)な」

真由美はすらりと綺麗な足を組んで首を30°傾けて憤懣(ふんまん)やる(かた)ないご様子。

「もー! ちょっと目を離すとすぐライバルを増やすんだから〜!」

「それは美少女が次々に現れる回転寿司方式のゲームを作った運営さんサイドに問題があるんではないかと…」


「おーいアクティー、氷きれたから取って来てくれ」

「あいよ、ほらアンタも手伝いな」

「いや俺達は客だよね?」

「雇ったのはアタシらなんだからキッチリ働きな」


 俺はアクティーに腕をつかまれて、あれよあれよと言う間に外に連れ出されたのだった。あ〜助かった〜

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