いまさら! クラーケン討伐イベント攻略会議 2
「まあコッチ来い、話は座ってからだ」
「喉乾いたー、みずー」
「待てリラ、それだとワインが出て来る。親っさん、ザクロジュースの水割りを5つ」
「ザクロはまだ青いから酸っぱいぜ」
「しょうがない、ワイン酢を垂らして」
「え〜、それも酸っぱいだろケン坊」
「取って置きのハチミツがあるから少し入れてやるよ」
「ありがとうマリン親っさん」
地中海では夏でも湿気や雨が少ない。山間からアルケー村の横に流れ出た川は池や沼に流れ込み地面に吸い込まれる。そっから先にも川は海まで続いてるが涸れ川だ。余程大きい川でないと水がない。
じゃあこんな乾燥地の村や都市で生活用水をどうするか。白い石灰岩で出来た建物に僅かに降った雨は、水が染み出さないよう白い漆喰を塗った通路に流れ込み、石灰岩や漆喰からカルシウムを溶かし込んだ石灰水になって、簡単なゴミ取りを通過し石灰岩の溜池に入る。純白の町並みは集水装置と殺菌装置も兼ねてるんだ。
溜めた水は理科室の石灰水と同じで腐らないけど非常にマズい。だから安ワインを半分くらい混ぜて飲むのが普通だ。ワインを水で割るってより、水をワインで割ってるわけ。でもお酒は20歳になってから。俺達はパスだ。
「んでマリン親っさん、クラーケンが季節によって女体化する件」
「おおそれな。ここらへんは涸れ川ばかりで川から栄養が流れて来ない。海が青く澄んでるのは栄養がないからだ」
「でも雪解けの季節には、谷を塞いだ雪の塊を雪解け水が押し流してドバーン! 海まで水が届くのさ。はい、イカ焼き人数分おまち!」
「アクティー、水も運んでくれ。クラーケンは冬の終わりに深海から浮上し、精霊をタップリ含んだ雪解け水を吸って産卵する。精霊は大抵、たまたま見かけた美少女の姿を真似してるから、その影響で産卵が終わるまでクラーケンは美少女化するのさ」
「いやーん美少女だなんてっ」
「だから夏場はいい具合に育った子イカの季節で、親もイカの姿に戻ってるんだが。そう言えば先日、急に川に水が来てな。それを吸って女体化したんなら戦闘力は軽く1桁、いや2桁上がってるな」
「きっとアホな山師が鉱山を探してて地下水を掘り抜いちまったのさ、迷惑な話だよ。はい蜂蜜酢ドリンクお待ち!」
「つまり迷惑でアホな誰かが精霊入りの水を川に流したせいで季節外れの女体化現象が起きたと?」
「だ… 誰かしら?」
「アタイが知ってる奴かな?」
「リラ心当たりが…」
「は… 犯人は意外と身近に…」
4人とも俺の方をチラチラ見るなぁっ!




