1話
俺の名前は、大和 武。たまに玉が痛くなる謎の病に侵され、その治療の為に某大学病院にかよっている、30歳に成り立ての『ぴちぴち』のお兄さんだ。
医者は、原因不明の病と言い、詳しいことは教えてくれないが、精巣上体炎ではないかと、俺は疑っている。何故だ。日頃の行いはよかったはずなのに。
病院ではやたら筋肉の発達した同年代の医者(男)に舐められる様に玉袋をさわられ、それを若い看護師さんだとか、熟したお姉さまだとか、ガチムチの看護師なんかに観賞される。
最近では玉とは別に尻の心配もしてきた。悲しい。
今日も今日とて、有給をとり病院にむかっている。
この謎の病に侵されてから、職場や合コン、趣味で通っているレスリング教室なんかで、唐突に痛みをあげるマイ玉袋を抑え叫んでしまい、ろくな目に合わない。
早いところ治ってほしい。切実に。
そんな事を考えながら、病院までの道を歩いていると、また唐突にヤツが主張し始めた。
玉が内側から弾け出すような痛みと共に、おパンツが触れただけでも、痺れる様な痛みが走る。
あまりに痛すぎて、視界が朦朧としてきた。周囲が何かを叫んでいる。
痛すぎた自己防衛からか、だんだん気持ちよくなってきた。
何かが、轟音と共に近づいてくる。
なにが起こっているのか解らないが、痛みと快感だけ感じるままに、自分が足を一歩ふみだしたことだけはわかった。
そして激しい音とともに、俺はこの世からオサラバした。