ー11ー
いったん俺たちは馬車のある所に戻った
その広場ではばあちゃん達がみんなでご飯を作っていた
「あら〜
みんな、おかえり〜
ご飯出来るわよ〜」
ばあちゃんが俺たちに気がついてニコニコ笑っていた
横では簡易のかまどがつくられており、ボルノックさんが薪をくめながら火加減を調節していた
「夕子さん、ありがとう
美味しそうな匂いだ」
じいちゃんが鍋を覗き込んで話している
「もう少しですからね〜
待ってて下さいね〜」
ばあちゃんは鍋の様子を見ながらじいちゃんと話していた
ほんとに仲がいいんだな
ばあちゃんもじいちゃんと再会してからは前にも増して明るいからな
時々張り切り過ぎて料理を作り過ぎる事は内緒にしといてあげよう
次の日に上手く料理がリメイクされて材料も無駄なく使われているみたいだし
とにもかくにもみんなが喜んで食べてる事が一番だった
その時、詠美さんがやってきた
「拓さんおかえりなさい
沼の様子はいかがでした?」
「詠美さんただいま
もしかしたらそこが原因じゃないかってとこまでは分かったんだけどね
毒の沼の中だから俺たちでは手が出せなかったんだよ」
「そうでしたか
それは残念でしたね...」
詠美さんは少ししょんぼりしてしまう
「でも、昼からはリリスさんに頼んでそこに魔法を使ってもらうみたいだよ」
それを聞くと詠美さんはパッと笑顔になって
「それは良かった
この依頼も上手くいきそうで良かったですね」
(まあ、リリスさんがちゃんと魔法が撃てたらの話しだけどね...)
俺は少し詠美さんに罪悪感を覚えながら心の中で苦笑した
「みなさ〜ん
ご飯が出来ましたよ〜!
沢山食べて下さいね〜!!」
ばあちゃんの声掛けと共にみんなの昼食が始まった