ー10ー
だが、それでも進みの遅いのには変わらない
「ちょっと1人で道作ってくるからじいちゃん達はここで待っててよ」
そう言って1人で草刈りを始めた
そう言えば、今気がついたのだが、昨日よりも変な臭いが無くなってるな
これも、マリーさんの魔法のおかげなのだろう
それだけ効果のある魔法でも除去出来ないなんて
(何か毒を作る壺でも沈んでるのかな?)
そんな事、考えていると前にまあまあ大きなトカゲの様な物がいた
その、トカゲの様なものは俺に気が付くとまた草むらの方に逃げていった
(意外と臆病なのもいるんだな)
俺はまた草刈りを再開し始めた
「お〜い、拓
大丈夫か?」
じいちゃんが様子を見にやってきた
「大丈夫だよ
さっきトカゲみたいなのいたけど逃げてったし」
「トカゲ?
あ〜、マンダーか
あいつ毒持ってるから不用意に攻撃するなよ
自分がピンチになると毒吐いてくるからな」
げっ?
そんなに危険なやつだったのか?
俺は今更ながらに背筋がゾッとした
マンダーに気をつけて
沼に近づき過ぎないように気をつけながらようやくマリーさんが言っていたとこら辺まで進んできた
「じいちゃん〜!
草刈り出来たよ〜!」
俺はじいちゃん達に声をかけた
しばらくするとその道を歩いてじいちゃん達がやってきた
「拓、ありがとうな」
「御苦労だったな草刈機!!」
ジュディーさんは自分の言ったことに大笑いしている
(ジュディーさんは人を弄るのが好きだよな〜)
マリーさんは沼の方をじーっと見ている
俺もつられて沼を見ているとなんだか沼の水の色が一部だけ濃いような気がする
「ねえ、じいちゃん
沼のあそこの辺り色が濃くなってない?」
「あ〜?
俺にはよく分からないな...」
みんなが沼の方をじーっと目を凝らして見ている
「た、確かにあそこだけ違いますね
そ、それになんだか、魔力が流れ出ている所と一致してます」
(お〜、マリーさんと意見が一致したぞ)
俺はなんだか嬉しかった
「しかし、池の中となると俺たちでは手を出せないか...」
じいちゃんは何やら考え込んでいる
「やはり、リリスの魔法に頼るしか無いか」
「で、ですね
あ、あの辺に炎の槍でも落としてもらいましょう」
「そんな事したら沼の水が無くなってしまわないか!?」
「い、威力をなるべく抑えていただければ可能かと思いますよ」
じいちゃんはさらに悩み込んでる
確かに昨日といいさっきといい、あんなリリスさんみたら悩むよな
俺も心の中で苦笑した