表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
49/69

ー5ー

さらに歩いていると花屋の前で花束を持ったボルノックさんに出会った


ボルノックさんは俺の姿を見掛けると笑顔で話しかけてくれた


「拓殿もお出掛けかな?」


「はい、ご飯を食べてきました」


「それはよかったですな

お腹いっぱいになりましたかな?」


「はい、いつものお肉屋さんの横でお腹いっぱい食べてきましたよ」


「あそこは安くてボリュームありますからな」


ボルノックさんは笑いながら話してくれた


「ボルノックさんはこれからどちらへ行かれるのですか?」


「今から妻と子供の所に行くのですよ

御一緒にいかがかな?」


(へ〜、ボルノックさんは結婚してたんだな)


ボルノックさんの誘いに俺はのった


「ボルノックさんがお邪魔で無ければ、ぜひ行きたいです」


「そうですか、妻と子供も喜んでくれるでしょう」


そうして、俺とボルノックさんは歩き始めたのだが


何だかだんだんと家がまばらになってきたな


そして、お城からも少し離れて来たぞ


前を見ると大きな教会があった


(まさか...)


ボルノックさんはどんどん奥に進んでいく


そして裏手に回ると1つの石の前で足を止めた


「拓殿、私の妻と子供です」


俺は何だかいたたまれなくなってここから離れたくなった


ボルノックさんは片膝をついて優しくそのお墓に花束を供えた


「ルチア、ショーン

今日は勇者殿のお孫さんの拓殿も一緒に来てくれたぞ」


ボルノックさんはお墓に話しかけて、その後手を合わせて祈りを捧げていた


俺も一緒になって片膝をついて祈った


(ルチアさん、ショーン君...

これからもボルノックさんと一緒に頑張っていきたいと思ってます

どうか見守っていて下さい...)


その時微かに声が聞こえてきたが俺は目を開けずにずっと手を合わせ祈っていた


ここは見ないのがマナーだろう


少しした後にボルノックさんが立ち上がる気配がしてやっと目を開けた


「ありがとうございます拓殿

妻と子供も喜んでおりましたよ」


「良かったです

今日はお2人に会わせていただきありがとうございました」


俺は立ち上がりお辞儀をした


「いやいや、滅相もない

私の方こそお付き合いいただきありがとうございました」


教会を後にして俺とボルノックさんはグランデルさんの家に向かって歩き始めた


行く時と違い、帰りはお互いになぜか無口なままだった

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ