第一話:突然の出会い
英雄の子を止めたのにやってしまいました
頭に浮かんでしまったんです、書きたくなってしまったんです
あまり続かないとは思いますが新主人公・リデルくんの活躍をお楽しみ頂ければ幸いです!
「おら、とっととやれ!」
「早くしろ!」
また、いつもみたいにモンスターの退治に駆り出された
村の周りに時折モンスターが餌を求め襲ってくるので退治しなくちゃいけない
「やぁ!」
低レベルのモンスターは、村にある装備で倒せるけど基本、僕が一緒の時は動かない
やれだの、仕留めろ、早くしろと命令してくるだけ
煩いからせめて黙っていてほしい、集中できない
「ヂュヂッ!」
今相手にしているのはリトルラット
人の頭よりデカいから僕的にはリトルを付けて欲しくないモンスターだ
剣が皮膚を切り裂き血が出るもまだまだ闘えると威嚇してくる
僕は魔法も使えないし、ろくな装備もありはしない
錆び付きかけたボロい剣一つ
何度か切りつけて、ようやく動かなくなったリトルラットを見る
ボロボロでちょっぴり可愛そうに見えた
「あー、やっと終わった。長かったなぁ」
まったく働いてないのに疲れた~って言ってる連中の横を通って村に帰ろうとしたらふと草むらが揺れた気がした
他の連中は気づかずにそのまま村に帰っていった
まさか、モンスターがまだ居たのかと剣を改めて握りしめながら草むらに近づく
「キュ・・・」
そこに居たのは毛むくじゃらに蝙蝠の羽根のようなものがくっついた見たこと無いモンスターだった
怪我をしているようで血がべっとりついていた
「・・・死にかけか」
これなら、ほっとけばいずれ死ぬ
わざわざ手を出さなくとも大丈夫だろう
「キ、ュゥ」
あ、目が合ってしまった
なんか、気まずい・・・
助けてって言われたような気がする
モンスターなんかを助けたってなんの特にもならない
皆にバレたら今の生活すら危ういのに更に大変になる
自ら首を絞める自殺行為だ
・・・・けど、コイツを見てたら少し自分と重ねてしまった
治療を受けず死んでいく
怪我を負っても、たまたま両親が残した薬と包帯のお陰でギリギリ生きてきた僕
少し違ったら僕もコイツ見たいに誰からも治療をしてもらえず死んでいたかも・・・
気づいたらその小さなモンスターを抱きかかえて村に急いでいた
村の連中は僕が帰ってくれば何時ものように遠目から見てくる、僕から話しかけなければ特に用事が無い奴は寄ってこない
ただ働きで畑仕事をさせ、目の前で食事し嫌みを言ってくる奴らもいるけど・・・まぁ、素直に従っていれば殴られないからね。やるしかない
両親が生前建ててくれた小屋。本当はちゃんとした家があったけど、村の連中に燃やされた
流行病で死んだ両親の住んでいた家は残したくないとのことだった
だから、物置として使っていた小屋を家代わりに使っている
傷口に直接触れないよう水で濡らした布で軽く体を拭いて応急処置で傷口に薬を塗って包帯を巻いた
「何やってるんだろ、僕」
全部やり終えて自己嫌悪になる
自分の首を絞める最悪な行動のはずなのに、バレたらこのモンスターだって殺される
その前に助かるかどうかも怪しい
それでも、ほっとけなかった
「せっかく助けようとしたんだからさ。頑張れよ」
弱々しく眠っているモンスターをソッと撫でながら、疲れからか眠くなる
そのまま眠けに身を任せ眠ったあと、ほんのりモンスターと僕自身が光った事に気づかなかった