てきとー訳 仏頂尊勝陀羅尼経 ~ ブッダのどたまの長えー呪文
またまた密教です;
密教は主観が客観を圧倒することのある思想体系であって、修行ヌキで文章を読むだけでは理解できないと言われてます。
なのでこういう文献を真面目に読んでも、密教の修行してる人でなければあんまし意味無いかむしろ誤解してしまうだろうから(それは書いた筆者も同じです;)、これはファンタジー物語としてお読みください。
仏頂尊勝陀羅尼とは、ブッダの頭のてっぺんのふくらみ(肉髷)をイメージして唱えるようです。真言宗や天台宗だけでなく臨済宗とかの経本にも載っています。わりとメジャーな呪文なのでしょうか?
ちょっと調べてみたところでは、文献学上、日本に必ずしも全貌が伝わってるわけではない「後期密教」に含まれる経典とされてるようですが……。
ともあれ、なんだかよくわからない「金剛乗」と呼ばれる密教経典の世界、その一端に分け入ってみましょう。いままでご紹介してきた上座部や普通の大乗仏典とはちょっと違う、摩訶不思議な雰囲気をお楽しみくださいませ~、、、
では、密教の読経開始風に……
おんぼうじしったぼだはだやみ、おんさんまやさとばーん!
(だいたいの意味:オーン・俺っち菩提心を起こすぜ、オーン・あんさんはもうブッダと同等!(?))
罫賓国沙門 佛陀波利(覚護) 漢訳
日本国素人 阿僧祇 てきとー訳
佛頂尊勝陀羅尼經
如是我聞一時薄伽梵在室羅筏住誓多林給孤獨園……
ウシュニシャ・ヴィジャヤ・ダラーニについて伝えること。
おいら、こんなふうに聞いたんだわサ。
あるとき薄伽梵(ブッダ)は、室羅筏(コーサラ国の首都)にいて、誓多林、給孤獨園(日本で言う祇園精舎)に行っててね。
偉い比丘(出家修行者)衆1250人、そして菩薩である修行者も12000人が一緒にいたんだけどさ。
そのころ、三十三天(世界の中心にある須弥山の頂上で、地居天と呼ばれる神々が住む)の善法堂というところに、善住という名前の天子(ディーヴァ、天界の住人)がおられてさ。
天界の園を歩けばその貴賓ぶりが神々の尊敬を集め、おおぜいの美しい天女が取り囲んで優雅な音楽に合わせ舞い踊ったりと、そりゃあもう楽しく、みんなであらゆる快楽の極致を味わって生活してたらしいぜ。
ところがある夜のこと。
楽しいパーティの最中に、善住天子は不思議な声を聞いたそうな。
いわく、
声「善住天子さんに申し上げます。
声「お前の命は……あと七日ッ!
声「そして命が終わったら贍部洲(ヤンプティパ、いま私たちが住んでるあたりの大陸)に転生しまして、七回ほどド畜生めに生まれ変わった後、地獄に落ちて苦しむでしょう。長いこと苦しんだ後で地獄から出て、運よく人間に生まれ変われても今度は貧民に生まれまして、しかも母胎内で両目を失うでしょう。いやあ、まことに残念ですね~、ちゃんちゃん。」
善住天子はこの声を聞き身の毛もよだつほどびっくりして、めちゃくちゃ心配になり、あわてて天帝・帝釈天(インドラ、三十三天のなかでいちばんえらい神様)のところへ走っていった。
そして、もう何も考えることができずわんわん泣きながら、それでも礼儀はいちおう守って、帝釈を敬うしるしに両足に自分の頭を触れさせて(五体投地、最敬礼の挨拶)から、言ったのだった。
善住「き、聞いてください! 私が天女たちと、具体的に書いたらノクターン用18禁作品になりそうなカンジで楽しくやってたところへ、いきなり声が響いてきまして。
声『善住天子さんに申し上げます。
声『お前の命は……あと七日ッ!
声『そして命が終わったら贍部洲に転生しまして、七回ほどド畜生めに生まれ変わった後、地獄に落ちて苦しむでしょう。長いこと苦しんだ後で地獄から出て、運よく人間に生まれ変われても今度は貧民に生まれまして、しかも母胎内で両目を失うでしょう。いやあ、まことに残念ですね~、ちゃんちゃん。』
なんてことを言ってけつかるんです! 天帝陛下、こんな運命、取り消してくださいよ、お願いします!」
インドラは善住天子が語るのを聞き終わると、そりゃもうびっくりこいて、しばし考え込んだのだわ。
帝釈「善住天子ってばどんな感じで七回も悪道(餓鬼/畜生/地獄 といった苦しい一生を送るもの)に生まれ変わるのかな? 『くそどーぶつ』って、具体的には何なんだろ?」
あんまり気になったもんで、インドラは須臾(瞬間より短い時間)のうちに禅定、つまり瞑想に入ってだな……
そしてたちまち、脳内で未来を見てしまったのです。善住天子が悪道を受け、
ブタ → イヌ → ジャッカル → サル → ウワバミ → カラス → ハゲタカ
と生まれ変わり、しかもロクな食べ物も無いからしかたなくキッタネー汚物をムシャムシャ食っちゃってる姿を……。
こんなビジョンを見せられたインドラは、さすがに
帝釈「うっわ~……無えわ! こりゃ無えわ!!!!!(走召火暴シ干)」
と、まあヒキまくってしまい、大変に心を痛めてもうた。
帝釈「だけど、宿業(カルマ、自分に原因があって受けることになる運命)は朕の担当範囲外だしな~、こりゃ、どうしょうもないなあ~。善住天子の苦しみをなんとかする方法ってないかなぁ……う~ん……」
しばらく悩んでから
帝釈「う~ん。正等覚(究極の悟りを開いたから何でも知ってる)の如来(タタハガタ、そのように来てそのように去るもの、ブッダの呼び方のひとつ)に相談してみる以外、何も思いつかんわ!」
……ってわけで、インドラはその日の初夜分(宵の口)に、いろんな花鬘(花飾り)/塗香/抹香などといった清浄なプレゼントを用意し、よそいきの服(天衣)に着替えた荘厳な姿で、下界のジュータ林へと、やって、まいりましたのであるっ! じゃじゃーん。。。
で、世尊(バカボン、複数形はバガヴァッ、世にも尊い先生。これもブッダの尊称)のところへ着くと、尊い足に頭をつけ、右側を見せて七回、周った(強い敬意を示す儀礼)。
そして、ブッダをおおいに供養した。
どういう供養をしたのか詳しく書いてないけど、天界から花やらお香やら持ってきたとあるから、それらを使って儀式を行ったのでしょう。もしかすると「十八道行法」とかいうアレかも知れません(注:密教ゆえ詳細は…;)。
さて一通り供養の儀礼を終わると、インドラはブッダの前に跪いて、苦しそうに言ったのだった。
帝釈「世尊……善住天子が七回も悪道の身に生まれ変わらねばならないという問題について、いったいどうしたら……」
そう聞いたとたん、如来の頭頂(頭のてっぺんの盛り上がってるとこ)、つまり「仏頂」からさまざまな色の光がパーッと照らして。
なんと、十方(四方八方+上下)のすべての異世界まで全部を照らしまくり、その光が反射して帰ってきまして、ブッダの周りを三回周り、それからブッダの口の中へ飛び込んだのだった!
って、なんじゃそりゃあああ!!!?
(……もしかして、「観想」のヒント?)
それからブッダはニッコリ笑ってインドラに言ったのだわ。
「天帝陛下、『仏頂尊勝(ウシュニシャヴィジャヤ)』って名前の陀羅尼(ダラーニー、長い呪文のようなものと思っといてください)があってね。一切の悪道を浄めて、一切の生き死にの苦悩を浄め除くことができ、また閻羅王(閻魔大王?)の支配する地獄や畜生に生まれる苦しみを浄め除くことができるんだ。一切の地獄を破り、善の道を回向(善い業を作って誰かに差し上げること)するんだョ。
「天帝陛下、この仏頂尊勝陀羅尼はね。もし一回耳に聞いたらその人は、今までに作った地獄堕ちクラスの悪い宿業もぜーんぶ消滅してしまい、この一生の記憶を忘れないまま清浄な身に生まれ変わるなることができるんだ。ブッダ(普通名詞)のいる世界からならブッダのいる世界へ、天界からなら天界へ、と、前世の記憶を忘れないまま三十三天を遍歴するんだョ。」
「天帝陛下。もし命が終わりそうになったらソッコー、この陀羅尼を思い出しなさい。寿命が延びて、身/口/意(行い/言葉/思考という、カルマを作る3つのもの、三業)を浄め、身に苦痛は無くなるョ。
「その福利と安穏の境地によって、すべての如来が君の様子を天眼通で見て、すべての天の神が側に来てくれて、敬意を払って悪い障りを消滅させてくれる。すべての菩薩も同じ気持ちで、護ってくれる。
「天帝陛下、もしこの陀羅尼をちょっとでも唱えた人はネ、地獄や畜生や餓鬼に生まれて閻羅王界で苦しむ運命であっても、それを一かけらも残さず全部ぶっ壊して消滅させ、いろいろなブッダの浄土やいろいろな天界の宮殿、すべての菩薩のいる境地へ、何の障碍も無く自由に入れるようになるんだ♪」
するとインドラがブッダに言ったもんだぜ。
帝釈「世尊! 衆生(すべての命あるものたち)のために、お願いします! 寿命を増益するその方法を、超超ウルトラスーパーデラックス、詳細キボンヌっ!!!」
世尊はインドラの(命あるものたちを少しでも救うためにそれを知りたいという)純粋な気持ちを理解して、この陀羅尼を聞かせてあげることにしたのだった。
すなわち唱えていわく!
「のうぼう ばぎゃばてい たれいろきや はらちー びししゅだや ぼーだや ばぎゃばてい たにやた おん びしゅだや びしゅだや さまさまさんまんだ ばばしゃ そはらだ ぎゃちぎゃかのう そばはんば びしゅてい あびしんしゃーとまん そぎゃたや はらばしゃのう あみりたーびせいけい まかまんだらはだい あからーあからー あゆさんだらにー しゅだやしゅだや ぎゃぎゃのう びしゅてい うしゅにしゃ びじゃや びしゅてい さかさらー あらしんめい さんそにてい さらばーたたぎゃたー さたはらみたー はらはらに さらばーたたぎゃたー きりだや ちしゅちたのう ちしゅちた まかもだれい ばざらぎゃやー そうぎゃたのう びしゅてい さらばー はらだー はや とりぎゃち はりびしゅてい はらちに はやだやー あよくしゅてい さんまやー ちしゅちてい まにまにまかまに たたたぼたー くちはりしゅてい びそぼだー ぼぢしゅてい じゃやーじゃやー びじゃやーびじゃやー さもらーさもらー さらばぼだー ちしゅちたしゅてい ばじりーばざらー ぎゃらべいばざらん ばばとままー しゃりらん さらばさーどばなん しゃぎゃやー はりびしゅてい さるばーぎゃち はりしゅてい さらばたたぎゃたー しっしゃめい さんまじんばさ えんどー さらばたたぎゃたー さんまじんばそう ちしゅてい ぼうじゃ ぼうじゃ びぼうじゃ びぼうじゃ ぼうだや ぼうだや びぼうだや びぼうだや さんまんだー はりしゃてぃ さらばたたぎゃたー きりだやー ちしゅちたのう ちしゅちたー まかぼだれい そわか。」
帝釈「……日本語で、おけ(汗)」
やめてっ! 筆者のHPはもうゼロよ!!!!!
(○ ○;
)□( (つか、長ぇーし。。。)
例によって、梵語とかあんまし詳しくないんで発音はイイカゲンです。正確なとこを知りたいって方は、経験と資格を充分に有してる先生に教わるか、正規の文献に当たるかしてくださいませ、、、
この陀羅尼は観光地の仏具屋さんで普通に売ってるお経本に載ってましたし、ようつべで公開してるお坊さんもおられましたから、一般公開が許されてるんだろうと思い、思い切って載せてみました。けれども基本、陀羅尼ってものは、意味や使い方をセットにした秘伝らしく、正式に授けられてない人はやたらと使っちゃいけないらしいので、、、いちおうご注意を。
さて、ブッダはインドラに言ったのだわ。
「この呪文の名は『浄除一切悪道仏頂尊勝陀羅尼』、略して『尊勝陀羅尼』」
……って略しすぎじゃね?(汗)
「この陀羅尼は一切の罪業などによる障碍を除き、一切の穢れた悪道の苦しみを破るんだ。」
「天帝陛下、このすげー陀羅尼はネ、88恒河沙倶胝百千(88,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000)人のブッダが教え、みんな喜んで学んでるのサ。
「大日如来の智印がその印契でネ。(筆者注! 手元の資料によるといわゆる「智拳印」とは違うようです;)
「すべての衆生の穢れた悪道を破るから。すべての地獄や畜生や閻羅王界をさまよう衆生を解脱させるから。急な苦難……生死を分ける海に落ちた衆生を脱出させるから。短命で福徳薄く救いの無い衆生、無造作に安易に悪業に染まる書状にも、饒益(善い利徳)を得させるから。また、この陀羅尼は贍部洲で力を持ってるから。
「地獄とかの悪道に堕ちた衆生を、いろいろと流転して生まれ変わる福徳の薄い衆生を、善悪の業を信じず正しい生き方のわからなくなってる衆生たちもそんな状態から解脱させるんだョ」
「それじや、この陀羅尼の運用は君に任せるネ。善住天子くんに授けてあげるとよろしい。そして、これをよく保って唱え考え楽しみ記憶し供養して、贍部洲のすべての衆生に、この陀羅尼を広く教えてあげなさい。また、すべての天子たちにこの陀羅尼の印契を教えてあげなさいナ。
「君に任したよ天帝陛下。これをよく保ち護って忘れないようにネ。」
「天帝陛下、もしこの陀羅尼をちょっとでも聞くことのできる人がいたら。その人はたとえ1000劫(約4京8200兆年?)も悪い業による重い障りを作り続けてきてても、その業のせいで生まれ変わり死に変わりして苦しみを受け続けていても、地獄/餓鬼/畜生/に生まれても、閻羅王界や阿修羅の身、夜叉、羅刹、鬼神、布單那羯ダ布單那阿波娑摩羅(筆者注:すみませんワカリマセン;なんかいろいろな怪獣みたいなやつ?)、アブ、ハチ、カメ、イヌ、トカゲ、ウワバミ、ヘビ、死肉食いのトリ、そのほか猛獣やゲジゲジワームに、もはや体さえ持たないグチャグチャ霊体やアリンコの幼虫に至るまで、罪の報いを受けて生まれていても。次に転生したらいろんな如来と一緒の世界に生まれ菩薩となることができる。生まれる家も、バラモン(インドのいちばん上のカースト)の名家、または武士階級の大領主、または市民階級の大富豪の家に生まれるんだョ。
「天帝陛下、この人が次の一生でこんなふうに高貴な生まれとなることができるのも、この陀羅尼を聞いたことによるんだよ。つまりキレイになって生まれ変わるってわけさ。天帝陛下も、このもっとも素晴らしい修行場に居合わせることができた諸君も、みんなこの陀羅尼の功徳を賛美して。
「だから天帝陛下、この陀羅尼は『吉祥能一切悪道』と名づけられてる。穢れや瑕を浄め虚空を等しく浄め、満遍なくすべてを照らす光のような、太陽の宝であるマニ宝珠(なんでも願い事をかなえるという伝説のアーティファクト宝玉)のような、この仏頂尊勝陀羅尼を。
「もし衆生がこの陀羅尼を持っていたらこれもまた、贍部檀は明るくやわらかい金でできたようになり、他の人にも穢れや悪に染まることをなくすことができ喜ばれるだろう。
「天帝陛下、もし衆生がこの陀羅尼を持っていたらこれもまた、人や神など善道に生まれ善くて浄い道に入っていくだろう。
「天帝陛下、もしこの陀羅尼を、書き写し、人々に広め、学び憶え、声に出して読み、よく聞き、供養するなら、その人はすべての悪道をみんな清浄にしてしまうことができる。一切の地獄や苦悩はキレイサッパリ消滅してまうョ!」
ブッダは天帝に語り続けたってさ。
「もし誰かがこの陀羅尼を書き写して高く旗の上に掲げ、あるいは高い山、高い建物の上、または娑塔婆(ストゥーバ、仏塔)の中に安置したら。
「天帝陛下、比芻(男の出家僧)、比芻尼(女の出家尼)、優婆塞(男の信者)、優婆夷(女の信者)、そのほかどんな身分の男だろうと女だろうと、その旗や塔を見上げたり近寄ったりしてりしてその影を身に映したり、あるいは風に吹かれて、陀羅尼に触ったホコリが飛んで体のどこかに触れたりしたら。
「天帝陛下、この衆生が、まさに地獄/畜生/閻羅王界/餓鬼界/阿修羅界といった悪道に苦しむべき悪業を持っていたとしても、すべてのその報いは受けず罪・垢に汚れることがなくなるんだョ。
「天帝陛下、これらの衆生はね、すべてのブッダ(普通名詞)たちに、将来は悟りを開いてブッダとなることが予言され、もう後戻りせずに阿耨多羅三藐三菩提(最終的な究極の悟り)を目指すんだョ。」
「天帝陛下、どうだろ。さらに多くの供物、華鬘(花飾り)塗香、抹香、幢幡(旗ざお)、蓋(日傘)、衣服、瓔珞(宝玉)で、町の広場の交差点に建ってる娑塔婆にこの陀羅尼を安置して、合掌し、恭しく敬い、右を見せて周って(敬意を現す習慣)歩き、帰依して礼拝したら、このような供養のできる人は、摩訶薩多(偉大なる修行者)で真に仏の子であり持法の棟梁と呼ばれるだろう。
「これは、如来全身分の仏舎利を収めた塔のようなものなんだ」
と、その時!
地獄の王者・閻摩羅法王(閻羅王)が、夜分ながらブッダを訪ねてきたのだ!
到着すると、天衣(美しい衣服)/妙華(美しい花)/塗香で荘厳にブッダを供養し、仏陀の回りを七回周って、ブッダの足に頭を付けて挨拶した。
そしてブッダに言ったそうだぜ……
閻羅王「如来が、すごい陀羅尼の講義をしてるって聞いて、ソレガシも学びたくて来ちゃいましたっ☆ この陀羅尼を受持して読み唱える人がいたら、ソレガシは常に側にいてその人を護っちゃいますよ~。仮に地獄に堕ちたやつでも、そいつが如来の教えに従ってこれを念じるならそいつを護りますです、ええ、もう。」
その時、世界を護ってる四天王が、ブッダの回りを三回周ってから言ったんだ。
四天王「世尊、我らのために如来にお願いっス。その陀羅尼の使い方を、どうかもそっと詳しく!」
で、ブッダが四天王に告げたことには、
「君のために、また短命の衆生たちのために、この陀羅尼を受持する方法を説明するから、よーく聞いてくれ。
「まず、よく洗ったキレイな衣を着て。月が満月となる15日(注:太陰暦の15日は必ず満月)に、斎戒してこの陀羅尼を唱えるんだ。
「1000回(実際は1080回?)唱えれば、短命の衆生は死なずに寿命が増え、病苦を離れ、一切の業障(悪いカルマ)はみんな消滅する。地獄の苦しみも、トリやド畜生や実体さえ無い霊魂みたいになってるような苦しみからも、全部開放されちゃう。
「この陀羅尼とこの経を耳にすれば、その身にもはやこのような苦しみを受けることは……無い!!!」
ブッダは続けたぜ。
「もし悪い大病にかかってる人がこの陀羅尼を聞けば、二度と病気にかかることなんかなくなり、また悪道に堕ちることもなくなる。またすべてを離れて、寂静(無)の世界に生まれ変わる。転生してももう胎生の生物となることは無く、生まれるときは蓮華の花の中から生まれる。しかも前世の記憶を忘れることも無く、未来のこともすべて知る力を持ってだ」
ブッダは続けたぜ。
「もし、生きてるときにものごっつい重い悪業を造ってきて、命が終わったらその悪業によって地獄に堕ちた人も、あるいは畜生界や閻羅王界、餓鬼や最低最悪の阿鼻地獄に堕ちた人も、あるいは水中の生き物や禽獣とかの身になっちゃった人も、その遺骨の一部を取って、土一掴みとともにこの陀羅尼を21回唱えたら、その骨の主はすぐ天界に生まれ変わっちゃうんだ」
しつこいようだが、ブッダは続けたぜ。
「もし毎日、この陀羅尼を21回唱えたら、宇宙のすべての存在に対しての広大な供養をしたことになり、身を捨てることになったときには(つまり死んだら)極楽世界に往生する。
「もしいつも唱え念じてたら大涅槃を得るし、また寿命が増えてとても気持ちよい生涯を送れる。
「その身を捨てたときは、すぐにさまざまなブッダ(普通名詞)の世界に往生して、どこに行こうがブッダ(普通名詞)たちと一緒で、すべての如来たちが常時、絶妙な教えを君に説いてくれて、すべての世尊たちが君もブッダになると予言をしてくれて、キミの体はその世界すべてを照らすほど光り輝く。」
さらにさらにブッダは続けたぜ。
「じゃ、この陀羅尼を唱える方法を。
「まず、大きさはかまわないが、清浄な土で、ブッダ(仏像?)の前に正方形の壇を作る。さまざまな草花を壇の上に散らし、定評のある良質なお香を焚く。右膝を地に着けて跪き、心にブッダを念じ続ける。
「陀羅尼の印を作るには、その頭指(人差指)を屈して大母指(親指)を以って押し合掌する(責任持てないので詳細省略;)。それを心臓の上に当て、この陀羅尼を百八回唱える。
「すると……その壇の中に、雲の王が降らす雨のように大量の花が降る。その花は、88恒河沙倶胝百千(88,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000,000)人のブッダを供養するのに充分な量だ。すると、そのブッダたちが声をそろえて君を賞賛する。
『GJ、稀有なモノホンの、ブッダの子!』
『無障礙智三昧(何者にも邪魔されることない知恵の集中)をやっちまった!』
『大菩提心荘厳三昧(大いなる悟りを求める心のとんでもなく美しき集中)をなしとげちまった!』
「この陀羅尼を実行するというのは、こういうことなのサ」
まだまだブッダはインドラに告げたぜ。
「私はこの方便(目的を果たすための方法)で、すべての、地獄に堕ちる衆生を、すべての悪道から解き放ち、清浄を得させるんだ。また寿命も延ばすんだョ。
「天帝陛下、今はこの陀羅尼を持って帰り、善住天子に教えてあげなさい。そして七日後に、善住と一緒にまた来なさいナ。」
さて、インドラは世尊のところでこの陀羅尼(とその使い方)を授けてもらい、奉って天界へ持ち帰って、善住天子に授けたんだわ。
善住天子はこの陀羅尼とその修行法を教わり、六日六夜の間、この法を修行し続けて満願となった。その結果、すべての「悪道行きの苦しみ」から解き放たれ、菩提(悟り)を求める道に入って、寿命も増えてしまってた。
だからもう、大歓喜して大声で
善住「稀有です如来様! 稀有な妙法(すばらしい教え)と稀有な明験(すばらしい効果)です! 困難な問題がキレイさっぱり解決してしまいました!」
7日目。
インドラは善住天子や天界の神々とともにブッダのところへ来て、華鬘/塗香/抹香/宝幢幡蓋(貴重な布を使った旗飾りや傘)/天衣/瓔珞などで荘厳に大供養を行ったそーな。
すばらしい天衣やいろいろな瓔珞は、世尊を10万重に取り囲んで供養した。そして、ブッダの前で歓喜のダンスを踊り、それからみんな座って講話を聴く体勢に入る!
すると世尊の腕が金色に光り、善住天子の頭を撫でた。
そして教えを説いてから、彼が将来には生まれ変わってブッダになるという予言をしたのだった!
すっげー!!!!! 決死だったとはいえ6日間の修行以外とくに何もしてないんじゃないのか!?www
善住尊者
さてブッダは言ったぜ。
「この経(教え)の名は浄除一切悪道仏頂尊勝陀羅尼。君たち、受持しなさいナ」
ということで、この法(教え)を聞いた一同は大変に喜びまして、信じて行うことにしたのだったぜ。
いじょ、佛頂尊勝陀羅尼經!!!!
筆者は正規の修行を経験してないので、正直、意味は想像するしかなく、なんのことだかよくわからん部分もあるのですが……わかった範囲で(一部脚色したけど;)訳してみました。
とりあえずファンタジー物語としてお楽しみいただけましたらさいわい、、、(^^;A
次はまたまた上座部か、いっそここらで法華系に行ってみるか……まだ未定にございます~。