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ある男の憂鬱

作者: 京久保崇

経典に書いてあるのがあまりに物騒だったので

中東の一神教の成り立ちをタイムトラベルちっくな短編にしてみました。

金のためとはいえ屈辱だ。

女に見初められ嫁ぐなんて。

そりゃああの女は金持ちさ。

でも女じゃないか、女!

金持ちへの羨望と女に飼われているという

蔑みがどこへ行っても俺を苦しめる。


頭が痛い。

俺だってしがない商人じゃなくて

勢力のある豪族ぐらいになりたいってのに!


今日も一人になる為

瞑想と称して現実逃避をしている。


『契約しませんか?』


参ったなぁ苦痛が過ぎて幻聴が聞こえる。


『幻聴じゃあありませんよ

金持ちの後家に見初めらて飼われてしまった貴方に

その悩みが解決する方法を教える為に

私が話を持ちかけているんですよ。』


俺は周りを見たが誰もいない。

しかも契約だとはまるで悪魔の囁きじゃないか!


『契約は悪魔の専売特許じゃあないですよ

例えば聖書は神との契約じゃないですか。

え?知らない?じゃあ今覚えてください。

人生が変わるんですからね。』


彼が言うには俺は商人としてある人種と

商売をするが無学ゆえに

その人種にはめられ俺は奴らに冒涜され

一生そいつらを呪う運命になっているそうである。


『貴方は無学ですが私の声が聞こえるので力を持つことが出来ます。

それによって続々力を手に入れることができるになっています。

ただし奥さんに大天使から予言を受けたと言えばですけどね。

どうするかは貴方次第ですが炎のような貴方ならきっと成し遂げるでしょう』


声はそこで途切れた。

俺はこれをどうしても彼女に言わずにはおれなくなり

さっさと家に戻ると深刻な顔をして彼女に言った。


「実は大天使から予言を受けたのだが

俺は物を知らぬからどうしたらいいかわからない」


彼女はやはりそうではないかと思ったといい

大天使を統率する大いなる創造主の教えを伝えようではないか

と俺は説得されてしまったのだった。


******************



『歴史通りの男だったな。まあこの男程あいつらへの憎しみ抜くものはないしな。

おかげで彼奴らを末代まで呪う呪文と唱え続ける契約者達が出来た。

彼奴らのせいでこの星は2000年戻ってしまったんだから呪われて当然さ。

そしてその結果しがない画家志望の俺がその恩恵を受けるんだけどね。

ローマ万歳!』


アドルフはそうひとりごちながら過去の人間に話しかける魔法陣を消した。




わからなかったらすみませんが実は

信者たちが経典(呪い)を何百年も唱えることで

遥か未来の現実になるという仮説です。


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