「参考になるか」ではなく、「都合がよいか」
周囲を見ていると、アドバイスを反射的に拒否する人がいる。いくつかの理由は考えられる。たとえば、
・プライドが高くて、人からのアドバイスを受け入れたくない
・アドバイスの内容に納得がいかない
自分の利益になるアドバイスであっても、プライドが邪魔をして他者の意見を取り入れることができないのはもったいない。それは、自分の考え方や心の持ち方を変えることで改善できる(といっても、簡単なことではないが・・)。
アドバイスの内容に納得がいかないことは、多々ある。その場合は、丁寧に受け入れることができない理由を示し、お互いの利益になるよう志そう。ただ、”丁寧”に行うことが大事だ。「せっかくアドバイスをしたのに、言い返された」と相手が思うと、関係がぎくしゃくしてしまう。
僕が周囲を見ていて感じるのは、人々の中には、「これまでの自分と都合が合わないから、受け入れられない」という態度を示す人がいる。たとえば、「もう少し積極的に行動をとってみたら?」とアドバイスをすれば、「自分はそういうタイプじゃない」とか「積極的に行動するのは、すこし・・・・みたいで嫌」と言うのである。
要するに、”これまでの自分”や”自分の性格・好み”に合わないから、受け入れられないと言うのだ。しかし、これは意見や主張を拒否するには、あまりに弱い。というのも、そういう自分の性格や好みが原因で、問題が起きているかもしれないかもしれないのに、それを無視する主張であるからだ。
「彼女ができるにはどうすればいいか?」と聞かれて、「もう少し色々な人に、積極的に話かけてみたら?」と助言すると、「いや、それは性格的にできない」と言う。あるいは、「それはチャラい」と言う。
過去の自分と反するアドバイスを受け入れることは、”過去の自分を否定する”ことになる。それは、これまでの自分と一貫性を取れないことを意味し、一定数は反射的に拒否してしまう。もしかしたら、その”過去の自分”が問題であるにも関わらず、そういう態度をとってしまう。
僕も含めて、人間は正しいことよりも、「自分にとって都合のよいもの」を選ぶ。しかし、それは本当のところ、自分にとっての利益にならない。ただ、これまでの自分と同じでいれるだけだ。問題は解決されていない。




