重たい話に熱さはない
近くに弁当屋ができた。しかし、開店してからというものの、客が出入りしているところを見たことがない。「あそこも、すぐに潰れるだろうなぁ」と思うと、すこし寂しい気もする。原因は、おそらく立地条件だろう。
最近、テレビを見ていると「人気のある・・・」「話題沸騰の・・・」という言葉をよく見かけるが、まったく話題になっていないものばかりだと思う。もしかしたら、僕が知らないだけかもしれないが、少なくともその番組以外ではニュースになっているところを見たことがない。
挙げ句の果てには、「これから話題になる・・・」という文句の宣伝まである。「なぜ、これから話題になる」と言えるのかは説明されない。おそらく、「話題にしたい」の間違いだろう。ほんとうに忙しいお店は、テレビに出る必要がない。人が来すぎると、それはそれでパンクしてしまい、客に不満を与えてしまうだけだ。
あと、ニュースを見ていたはずが、気づいたら「いま話題の・・・」と報道番組内で宣伝を行うのはやめにしてほしい。それでは、CMあとにCMが始まっているように思える(もし、本当にそうだとしたら番組とCMの境界がなくなる)。
「やめてほしい」という言葉を使ったが、僕は怒ってはいない。いまは重い話をしている。そこに熱さは関係しない。ただ、つらつらと自分の抱いた考えを書いているだけである。むしろ、冷めている、冗談めいている、と自分では思っている。
「宣伝をニュースで報道するのはやめてほしい」と言ったが、これは本気でもない。なぜなら、一番手っ取り早い対策は「テレビを見ない」ことと知っているからだ。相手に求める必要はない。自分を変えればいい。
そうだとしても、近所の弁当屋は近々閉店するだろう。この推測には、少しだけ自分の熱が入っている。その熱によって僕が間違った推測をしていることを期待している。




