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大きなオムレツを作ろう。

作者: 刹那玻璃

僕、これから大きなオムレツを作ろうと思うんだ。


大好物の、ふわっふわの大きなオムレツ。


たまごは、ん?大きいから、だちょうのたまご?

それとも大きな恐竜のたまご?


違うよ。


僕は、前にダチョウよりも大きな、絶滅したジャイアント・モアのたまごを探しに行ったんだ。

けど、この世界では孵化出来ないから、僕の夢の世界にいる『夢見鳥』に暖めて貰ってるんだ。

いつか、孵ると良いなぁ……。

ドードー鳥や、日本狼、日本カワウソも心の世界には沢山いるんだよ。

ジャイアント・モアも、夢の世界で良いから孵って欲しいなぁ。


かわりに、僕は『夢見鳥』のたまごを貰ってきたんだ。


たまごのからは虹色。

大きさは普通のたまご位。

で、中身はどうかな?


コンコンと角に当ててたまごのからにひびを入れた。

ママは片手でぱかっと割るけれど、僕は出来ないから、両手でボウルの中に割ったんだ。


ん?


からは虹色だけど、中身は普通のたまご。

でも大きな黄身が新鮮だよって言ってるみたい。


三つ割って、塩コショウをして軽く菜箸で混ぜる。

混ぜすぎると、ふわふわにならないんだ。

だから、美味しくなぁれって言いながらまぜたよ。


で、油をひいた熱いフライパンに卵を流し込んで、半熟になるように菜箸で卵をかき混ぜる。


あ、もうちょっとしたら固くなっちゃう‼

って言う寸前で、フライ返しで、卵を半分にする。

ママはクルンクルンって空中で回すけど僕は出来ないから……。

そして、大きなお皿を用意して、フライ返しでお皿に移す。


テーブルに持っていって、食べちゃおう‼

ナイフとフォーク?

僕は使えないからお箸で。


端からひと口ぶん取り分けて、パクン‼

ふわふわに仕上がったたまごがビックリするくらい美味しかった‼

それに、僕の今まで黙っていた、心が、昔から思っていた夢をさえずり始める。


『物書きになりたい』

『優しい人と幸せになりたい』

『自分の家が欲しい』

『自分の部屋が欲しい』

『テディベア作家になりたい』

『友達と仲良くしたい』

『優柔不断で何でもいいよいいよって言うのはやめたい』

『病気を治したい』

『でも、どうしてこんなになったんだろう……自分が一番嫌い』


昔願った未来の夢は悲しい夢だらけ……叶わない夢ばかり。

でも、涙が溢れると心が軽くなる。

涙で塩辛いオムレツを食べて、薬を飲むと、ホッとした。


僕の人生はまだこれから……今は泣いていても良いことがある筈なんだ。

『夢見鳥』が僕の背中を押してくれる。

きっと、明日は僕に良い日がやって来る。


負けるもんか……明日は僕に翼をくれる。

ジャイアント・モアは、アフリカだったと思いますが、ダチョウよりも大きな飛べない鳥です。

ドードー鳥と共に絶滅しました。

日本カワウソと日本狼も同じです。

『夢見鳥』は蝶々の事なのですが、『僕』の心の中にいる『鳥』と思ってくださいませ。

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― 新着の感想 ―
[一言] お久しぶりです、愛松森です。 大きなオムレツというフレーズから「ぐりとぐら」を連想しました。あの本を読んでた頃の私は色々な夢を見ていたことを思い出しました。 絶滅した動物は、どんなことを考え…
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