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ぴょん子  作者: 川本千根
6/19

破り捨てた

ぴょん子はきっと私の事なんか忘れて楽しい大学生活を送っていたに違いない


だけどお正月に会ったとき浮かれた私を見てむらむらと怒りが再燃したんじゃないかな


あのとき大和はぴょん子たちグループと二次会行ったから、多分大和に聞いた情報を元に亮太の事を調べママに近づく計画をたて実行に移したんだ


亮太の実家の薬局の名前を言っちゃったからなぁ…


でも、ふつーそこまでする?

ちょっとプライド傷つけられたからって!

どんだけシナリオ書く能力あるのっ



亮太のバカッ

どうしてそんなに簡単に引っかかっちゃうのっ


そういう人じゃないと思ってた


これがぴょん子の復讐だとしたら大成功だよ


ねぇ、浦島太郎の罪ってそんなに重いの…?




私はあの後ヨタヨタと自転車で家に帰って洗濯物がどうのこうの言ってる母親を無視して部屋に籠り夜中まで泣いた


瞼の腫れがひどくって2日間外出できなかった


3月に一緒に東京へアイリッシュダンスの公演を見に行く予定だったけど…

私がケルト音楽が好きだからって亮太が取ってくれたチケットは破って捨てた


そんなことぐらいで別れることないじゃん、薬剤師、三男だよって言う娘もいたけど私は無理


ご飯を食べただけって言うけど、そこに好意があれば立派な浮気だ




その後しばらく私のスマホは亮太からのメールの着信や電話が鳴ったけど無視した


二週間くらい経ったらそれもピタリと止まった


これ以上しつこくしたらストーカーだと思ったんだろう

亮太良識あるから


どこまで私の好みなのっ


私は一切ぴょん子に情報を漏らしたくなくてフェイスブックへの投稿もつぶやくのも止めた




それからしばらくは白いペットボトルのふたを見るたび亮太を思い出して苦しんだ


なぜ白いペットボトルふたかというと…

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